第36回 問題104
ソーシャルワークの理論と方法
次の事例は,在宅療養支援におけるモニタリングの段階に関するものである。この段階におけるJ医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)の対応として,適切なものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
Kさん(60歳)は,呼吸器機能に障害があり病院に入院していたが,退院後には自宅で在宅酸素療法を行うことになった。Kさんとその夫は,在宅療養支援診療所のJと話し合いながら,訪問診療,訪問看護,訪問介護等を導入して自宅療養体制を整えた。療養開始後1か月が経ち,Jはモニタリングを行うことにした。
- 1Kさんに「自宅での療養で困っていることはありますか」と聞き,新たな要望やニーズの有無を確認する。
- 2Kさんの夫に「病気になる前はどのように暮らしていましたか」と聞き,Kさんの生活歴を確認する。
- 3訪問介護員に「医療上,何かすべきことはありますか」と医療的ケアの課題を確認する。
- 4主治医に「入院前の病状はいかがでしたか」と過去の治療状況を確認する。
- 5訪問看護師に「サービス実施状況はどうですか」と経過や課題を確認する。
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✓ これが正解1Kさんに「自宅での療養で困っていることはありますか」と聞き,新たな要望やニーズの有無を確認する。
✓ これが正解5訪問看護師に「サービス実施状況はどうですか」と経過や課題を確認する。
解説
本人に新たなニーズを聞き、訪問看護師にサービスの経過を確認します。
この事例は、在宅療養支援の過程のうち、モニタリングの段階に当たる対応を選ぶ問です。2つ選ぶ問です。モニタリングとは、支援計画にもとづいてサービスが始まった後に、計画どおりにサービスが提供されているか、それが本人の生活に役立っているか、新しい課題やニーズが生じていないかを、本人や家族、サービス提供者から継続的に確かめることです。必要なら再アセスメントや計画の見直しにつなげます。
事例では、Kさんが在宅酸素療法を始め、訪問診療・訪問看護・訪問介護などを組み合わせて療養を始めてから1か月が経っています。この時点でKさん本人に自宅での療養で困っていることがないかを聞き、新たな要望やニーズの有無を確かめることは、本人の側から支援の状況を確かめるモニタリングそのものです。また、訪問看護師にサービスの実施状況を尋ね、経過や課題を確かめることも、サービス提供者の側から実施状況を確かめるモニタリングに当たります。
一方、生活歴や入院前の病状を聞くのはアセスメントの段階の情報収集です。見分け方は、モニタリングの問いは、今のサービスが今の生活に合っているかに向かう、と時間の向きで判断することです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2Kさんの夫に「病気になる前はどのように暮らしていましたか」と聞き,Kさんの生活歴を確認する。:病気になる前の暮らし方などの生活歴は、支援を始める前のアセスメントで集める情報です。療養開始から1か月後に、今のサービスの状況を確かめるモニタリングの問いではありません。
- 3訪問介護員に「医療上,何かすべきことはありますか」と医療的ケアの課題を確認する。:訪問介護員は医療の専門職ではないので、医療上すべきことを尋ねる相手としてふさわしくありません。医療的ケアの課題は、主治医や訪問看護師に確かめるのが適切です。
- 4主治医に「入院前の病状はいかがでしたか」と過去の治療状況を確認する。:入院前の病状や過去の治療状況を主治医に尋ねるのは、支援計画を立てる前のアセスメントの情報収集です。サービス開始後の経過を確かめるモニタリングとは目的が違います。
出典:第36回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題104。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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