システム企画|システムアーキテクト試験
この分野には 30問あります。くり返し出ているものから並べています。
この分野でくり返し出ている用語は作業(8問)・契約(8問)・システム化計画(5問)・要件定義(5問)・情報システム(4問)です。問題が多い回は平成23年度 秋期(4問)・平成21年度 秋期(4問)・平成27年度 秋期(3問)です。
計画、要求、契約を、決まる順と負う側で整理する
システム企画は、何のためにどこまで作るかを固め、要求を引き出して整理し、誰とどんな契約で進めるかを決める段階です。作業がどの順で決まるか、リスクを誰が負うかの二つを軸にすると整理できます。
企画プロセスの目的は、事業の目標を達成するために必要な要求事項の集まりとシステム化の方針、実現のための実施計画を得ることです。現行業務の調査、費用と効果の予測、日程の作成は計画を作る側の作業で、計画が承認されると要件定義に進みます。そこでは利害関係者のニーズから業務要件を固め、それを前提にシステムの機能要件を決めます。
計画段階の全社の業務モデルは、日常業務だけでなく意思決定や戦略計画の活動も含めて大づかみに描きます。要求は、BABOK の分類ではビジネス要求、ステークホルダ要求、ソリューション要求、移行要求の4種類に分け、システムが実現すべき機能要求と非機能要求はソリューション要求に当たります。可用性、性能、拡張性、操作性などは非機能要件です。
要求を引き出す手法にも性格の違いがあります。構造化インタビューは質問を固定するので回答を比べやすい反面、深掘りはしにくくなります。立場の違う人々の合意形成を段階的に進めるのがソフトシステムズ方法論です。並行して進む事象の同期を表すモデルにはペトリネットがあり、2種類の節点からなる有向2部グラフで、トークンがそろうと遷移が発火します。
契約は、何を約束しリスクを誰が負うかで見分けます。請負は完成を約束するので、仕様が固まった後の内部設計から結合までに向きます。実費償還型は要した費用の全てに報酬を加えて払い、費用増のリスクを発注者が負います。ラボ契約は、要員の確保と一定以上の発注の約束を交換します。注文書という申込みに請書で承諾すると契約が成立します。
投資の比べ方では、回収期間法は累計のキャッシュインが投資額に届くまでの期間で比べ、回収後の収入は評価に入りません。現在価値で比べる方法は、時間の価値を割り引いて扱います。活動基準原価計算では、活動ごとに単価を出してから製品に積み上げます。
この分野で出た問題
- 平成24年度 秋期 問144回出題IT 投資案件において,投資効果を PBP(Pay Back Period)で評価する。投資額が 500 のとき,期待できるキャッシュインの四つのシナリオ a〜d のうち,最も投資効率が良いものはどれか。
- 平成27年度 秋期 問14BABOK では,要求をビジネス要求,ステークホルダ要求,ソリューション要求及び移行要求の 4 種類に分類している。ソリューション要求の説明はどれか。
- 平成30年度 秋期 問152回出題WTO政府調達協定の説明はどれか。
- 平成28年度 秋期 問16“情報システム・モデル取引・契約書”によれば,ユーザ(取得者)とベンダ(供給者)間で請負型の契約が適切であるとされるフェーズはどれか。
- 平成23年度 秋期 問122回出題投資効果を現在価値法で評価するとき,最も投資効果の大きい(又は損失の小さい)シナリオはどれか。ここで,期間は 3 年間,割引率は 5%とし,各シナリオのキャッシュフローは表のとおりとする。
- 平成23年度 秋期 問13BABOK の説明はどれか。
- 令和6年度 春期 問14WTO 政府調達協定に関する記述として,適切なものはどれか。
- 平成21年度 秋期 問16システムの機能要件を定義する上で,前提となる要件定義作業はどれか。
- 平成23年度 秋期 問14システムの非機能要件となるものはどれか。
- 平成26年度 秋期 問18システム化計画立案時に,全社レベルの業務モデルを作成するときの留意点はどれか。
- 平成27年度 秋期 問16システム開発におけるベンダとの契約方法のうち,実費償還型契約はどれか。
- 平成29年度 秋期 問16システム開発における発注者とベンダとの契約方法のうち,実費償還型契約はどれか。
- 令和5年度 春期 問15システム開発における発注者と受注者であるベンダーとの契約方法のうち,実費償還契約はどれか。
- 平成26年度 秋期 問1ソフトウェアの要求分析や設計に利用されるモデルに関する記述のうち,ペトリネットの説明として,適切なものはどれか。
- 平成21年度 秋期 問13ソフトウェアライフサイクルを,企画,要件定義,開発,運用,保守のプロセスに区分したとき,企画プロセスの目的はどれか。
- 平成24年度 秋期 問2ソフトウェア要求モデルに関する記述のうち,ペトリネットモデルの説明として,適切なものはどれか。
- 平成24年度 秋期 問16ソフトシステムズ方法論の説明はどれか。
- 令和7年度 春期 問14ラボ契約の特徴はどれか。
- 令和4年度 春期 問15ラボ契約の特徴はどれか。
- 平成28年度 秋期 問4並列に動作する事象間の同期を表現することが可能な,ソフトウェアの要求モデルはどれか。
- 令和元年度 秋期 問2並列に生起する事象間の同期を表現することが可能な,ソフトウェアの要求モデルはどれか。
- 平成21年度 秋期 問12共通フレーム2007によれば,システム化計画の立案よりも後のプロセスで実施するものはどれか。
- 平成27年度 秋期 問15共通フレームによれば,システム化計画が承認された後に実施する作業はどれか。
- 平成22年度 秋期 問15情報システムの全体計画立案のためにE-Rモデルを用いて全社のデータモデルを作成する手順はどれか。
- 令和5年度 春期 問13製品 X と製品 Y を販売している企業が,見積作成と提案書作成に掛かる業務時間を,それぞれ 20%削減できるシステムの構築を検討している。Activity-Based Costing を用いて,次の条件が洗い出された。本システム構築による製品 X の見積作成と製品 X の提案書作成に関する月間総人件費削減効果は幾らか。
- 令和7年度 春期 問12要求分析におけるインタビュー技法である構造化インタビューの長所と短所はどれか。
- 平成21年度 秋期 問17請書を渡すと契約が成立する書類はどれか。
- 平成26年度 秋期 問16非機能要件項目はどれか。
正解と解説は、答え合わせのあとに出ます。
年度から解く
この分野の問題は 15年度ぶんの試験から出ています。いちばん新しいのは令和7年度 春期です。年度別に解くと、回ごとにまとめて解けます。