第60回 午後 問39
臨床医学
ステロイドの副作用で正しいの
ステロイドの副作用で正しいのはどれか。
- 1筋固縮
- 2低血圧
- 3低血糖
- 4大腿骨頭壊死
- 5高カリウム血症
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✓ これが正解4大腿骨頭壊死
解説
ステロイドの副作用として、大腿骨頭壊死が知られています。
ステロイド(副腎皮質ステロイド)は、炎症や免疫を強く抑える薬で、関節リウマチや膠原病、喘息など多くの病気に使われます。一方で、体のさまざまな代謝に影響するため、量が多く期間が長いほど副作用が出やすくなります。副作用は、本来の副腎皮質ホルモンの働きが強く出すぎたもの、と考えると整理できます。
大腿骨頭壊死は、大腿骨の付け根の骨頭への血流が途絶えて骨が壊死する病気で、ステロイドの大量投与が代表的な危険因子です。ステロイドはこのほか、骨を作る働きを抑えて骨粗鬆症を招き、骨折の原因にもなります。
他の選択肢は、副作用の向きが逆です。ステロイドは血糖を上げるので低血糖ではなく高血糖、体に水分とナトリウムをためるので低血圧ではなく高血圧、カリウムを尿に出させるので高カリウム血症ではなく低カリウム血症を起こします。筋に対しては筋力が落ちるステロイドミオパチーを起こしますが、Parkinson病でみられる筋固縮は起こしません。
したがって、正しい副作用は大腿骨頭壊死です。骨(骨粗鬆症・骨頭壊死)、代謝(高血糖)、循環(高血圧)、電解質(低カリウム)、と系統ごとに覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1筋固縮:筋固縮は、Parkinson病などでみられる、関節を動かすと一様な抵抗を感じる筋緊張の異常です。ステロイドで筋に起こるのは、主に近位の筋力が落ちるステロイドミオパチーで、固縮ではありません。
- 2低血圧:ステロイドは腎臓でナトリウムと水分をためる方向に働き、血圧を上げる副作用があります。低血圧になるのではなく、高血圧に注意が必要な薬です。
- 3低血糖:ステロイドは肝臓で糖を作る働きを強め、インスリンの効きを悪くするため、血糖値を上げます。副作用として問題になるのは高血糖で、ステロイド糖尿病と呼ばれます。
- 5高カリウム血症:ステロイドはナトリウムをためる代わりにカリウムを尿に出させる方向に働きます。そのため副作用として起こりやすいのは高カリウム血症ではなく、低カリウム血症です。
出典:第60回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問39(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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