第60回 午前 問73
運動学
運動学に関する問題
立位姿勢が安定しているのはどれか。
- 1支持基底面が狭い。
- 2重心の位置が高い。
- 3重心線は膝関節中心の前方を通る。
- 4床と足底の接触面の摩擦抵抗が小さい。
- 5重心線の位置が支持基底面の中心から離れている。
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✓ これが正解3重心線は膝関節中心の前方を通る。
解説
重心線が膝関節中心の前方を通ると、膝が伸びて立位が安定します。
立位姿勢の安定性は、支持基底面の広さ、重心の高さ、重心線と支持基底面の位置関係、床との摩擦などで決まります。支持基底面が広く、重心が低く、重心線が支持基底面の中心に近いほど、姿勢は安定します。また、立位では重心線が膝関節の中心のやや前方を通るため、膝を伸ばす方向の力が働き、膝関節は伸展位で固定されます。このため、大腿四頭筋を強く働かせなくても、少ない筋活動で立っていることができます。
残りの4つの記述は、いずれもここで挙げた安定の条件を逆にしたもので、どれも姿勢を不安定にする方向に働きます。
したがって、立位姿勢が安定しているのは重心線が膝関節中心の前方を通る場合です。広い基底面・低い重心・中心に近い重心線・滑らない床、と安定の4条件を逆にした記述が誤りになると覚えておくと見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1支持基底面が狭い。:支持基底面が狭いと、わずかな揺れでも重心線がその外側へ出てしまい、倒れやすくなります。姿勢を安定させるには、支持基底面は広いほうが有利です。
- 2重心の位置が高い。:重心の位置が高いと、体が少し傾いただけで重心線が支持基底面から外れやすくなります。重心は低いほうが姿勢は安定します。
- 4床と足底の接触面の摩擦抵抗が小さい。:床と足底の間の摩擦抵抗が小さいと、足が滑りやすくなり、体を支える力を床に伝えられません。安定した立位には十分な摩擦が必要です。
- 5重心線の位置が支持基底面の中心から離れている。:重心線が支持基底面の中心から離れていると、少しの外力や揺れで重心線が基底面の外へ出てしまいます。中心に近いほど姿勢は安定します。
出典:第60回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問73(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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