平成22年度 春期 午前Ⅱ 問18
労働関連・取引関連法規
労働者派遣法に関する問題
プロジェクトマネージャのP氏は,A社から受託予定のソフトウェア開発を行うために,X社から一時的な要員派遣を受けることを検討している。労働者派遣法に照らして適切なものはどれか。
- ア厳しいスケジュールが見込まれることから,X社へ瑕疵担保責任を負わせる契約案を提示した。
- イ前回委託した際にプロジェクトの成功に大きく貢献したX社のY氏の参加を契約の条件とした。
- ウ派遣される要員のスキルを適切に判断しようと考え,事前にX社の派遣候補者を面接した。
- エ派遣者への業務指示など,派遣に伴う各種業務をP氏が直接行うことをX社に伝えた。
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✓ これが正解エ派遣者への業務指示など,派遣に伴う各種業務をP氏が直接行うことをX社に伝えた。
解説
派遣労働者への業務指示は、派遣先の担当者が直接行えます。
労働者派遣では、派遣労働者は派遣元に雇用されたまま、派遣先の指揮命令を受けて働きます。見分ける軸は、派遣先に認められる行為と、請負の考え方の持ち込みや派遣労働者の特定といった派遣先が避けるべき行為の区別です。派遣先の担当であるP氏が、派遣者への業務指示などを直接行うことをX社に伝えるのは、派遣という契約の形に沿ったものです。一方、仕事の完成に責任を負わせる瑕疵担保責任は請負の考え方であり、特定の人を条件にすることや事前の面接は、派遣労働者を特定しようとする行為にあたります。指示は派遣先、雇用と人選は派遣元、と分けて覚えると見分けられます。出題当時の民法の瑕疵担保責任は、2020年4月の改正民法施行で契約不適合責任に改められています。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア厳しいスケジュールが見込まれることから,…:派遣契約は労働力を提供してもらう契約であり、仕事の完成を約束させる契約ではありません。成果物の欠陥について派遣元に責任を負わせる契約案は、請負の考え方を持ち込んだもので、派遣の契約としては適切ではありません。
- イ前回委託した際にプロジェクトの成功に大き…:前回の仕事ぶりを理由に、特定の人の参加を契約の条件にするのは、派遣先が派遣労働者を特定する行為にあたります。誰を派遣するかを決めるのは派遣元の役割なので、派遣先が求めるのは適切ではありません。
- ウ派遣される要員のスキルを適切に判断しよう…:スキルを見極めるためでも、派遣先が事前に候補者を面接するのは、派遣労働者を特定しようとする行為にあたります。派遣先はこうした行為をしないよう求められているので、適切な対応とはいえません。
この問題の用語
- 労働者派遣法派遣で働く人を守るための法律で、雇うのは派遣元、仕事の指示は派遣先と定めています。同じ職場での受入れには3年という期間の制限があります。
- プロジェクトマネージャプロジェクトの計画と実行に責任をもつ立場の人のことです。目標の達成に向けて、範囲や日程、費用、品質、人などをまとめて管理します。
- スケジュール作業の順序と日程を決めた計画のことをいいます。作業の前後関係から日程を組み立てるには、PERTが向いています。
- 契約当事者の合意で成立する法的な約束のこと。原則として口頭でも成立し、契約書は内容を確かめる証拠になります。
出典:平成22年度 春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問18
同じ用語が出る問題
- 令和5年度 秋期 午前Ⅱ 問15:民法の契約不適合責任に関する記述(契約)
- 令和5年度 秋期 午前Ⅱ 問4:予備調査の作業(スケジュール)
- 令和4年度 秋期 午前Ⅱ 問11:前払式支払手段に関する問題(契約)
- 平成26年度 春期 午前Ⅱ 問21:総合評価点が最も高い改善案(スケジュール)
- 平成21年度 春期 午前Ⅱ 問13:労働者派遣法に関する問題(労働者派遣法)
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