令和4年度 問30
標準管理規約
標準管理規約(単棟型)の問題
次の記述のうち、標準管理規約(単棟型)によれば、修繕積立金を取り崩して充当することができるものとして最も適切なものはどれか。
- 1建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査に要する経費に充当する場合
- 2共用部分の階段のすべり止めに数箇所の剥離が生じたため、その補修費に充当する場合
- 3共用部分に係る火災保険料に充当する場合
- 4WEB会議システムを用いて理事会を開催するため、パソコン数台を購入する費用に充当する場合
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✓ これが正解1建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査に要する経費に充当する場合
解説
建替えの合意形成に必要な調査の経費は、修繕積立金を取り崩せます。
標準管理規約(単棟型)は、管理費と修繕積立金を分けて扱います。修繕積立金は、一定年数ごとの計画的な修繕、不測の事故などによる特別の修繕、敷地や共用部分等の変更、建替え等に係る合意形成に必要となる事項の調査など、特別の管理に要する経費に充てる場合に限って取り崩せるとされています。日常の管理に要する費用は、管理費から支出します。
建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査に要する経費は、修繕積立金の取崩しが認められる経費として挙げられているので、取り崩して充当できます。これに対して、階段のすべり止めが数か所はがれた程度の補修は、日常的な小さな補修で、管理費の経常的な補修費に当たります。共用部分の火災保険料は、管理費で支払う損害保険料です。理事会をWEB会議で開くためのパソコンは、管理組合の運営に使う備品で、これも管理費の範囲です。
したがって、建替えの合意形成のための調査費が正解です。修繕積立金は将来の大きな工事や再生の検討のためのお金、管理費は毎年くり返し出ていくお金、と分けて考えると判断しやすくなります。
出題当時の標準管理規約では、取崩しの対象は建替え等に係る合意形成に必要な調査でした。現在は令和7年10月の標準管理規約の改正(改正区分所有法の施行に合わせて2026年4月から)により、建替えに加えて建物の更新、建物敷地売却、建物取壊し敷地売却、取壊しを含むマンション再生等に係る調査に広がっています。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2共用部分の階段のすべり止めに数箇所の剥離が生じたため、その補修費に充当する場合:すべり止めが数か所はがれた程度の手直しは、計画修繕でも不測の事故による特別の修繕でもない日常の手入れです。こうした費用は管理費から出すもので、修繕積立金を取り崩す対象にはなりません。
- 3共用部分に係る火災保険料に充当する場合:共用部分の火災保険料は毎年くり返し支払う費用で、管理費から支出する損害保険料に当たります。特別の管理に要する経費ではないので、修繕積立金を取り崩して払うことはできません。
- 4WEB会議システムを用いて理事会を開催するため、パソコン数台を購入する費用に充当する場合:WEB会議のためのパソコンは、理事会の運営に使う備品です。備品や事務の費用は管理費で賄うもので、修繕積立金の取崩しが認められる特別の管理の経費には当たりません。
出典:令和4年度 管理業務主任者試験(一般社団法人マンション管理業協会)問30
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