第36回 問題115
総合問題
次の事例を読んで,問題114から問題116までについて答えなさい。
〔事 例〕
Cさん(59歳,男性)は,妻(55歳)と二人暮らしであり,専業農家である。Cさんはおとなしい性格であったが,最近怒りやすくなったと妻は感じていた。Cさんは毎日同じ時間に同じコースを散歩している。ある日,散歩コースの途中にあり,昔からよく行く八百屋から,「Cさんが代金を支払わずに商品を持っていった。今回で2回目になる。お金を支払いにきてもらえないか」と妻に連絡があった。妻がCさんに確認したところ,悪いことをした認識がなかった。心配になった妻がCさんと病院に行くと,前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)と診断を受けた。妻は今後同じようなことが起きないように,Cさんの行動を常に見守り,外出を制限したが,疲労がたまり,今後の生活に不安を感じた。そこで,地域包括支援センターに相談し,要介護認定の申請を行い,訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。
Cさんの介護保険制度の利用に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
- 1介護保険サービスの利用者負担割合は1割である。
- 2介護保険料は特別徴収によって納付する。
- 3要介護認定の結果が出る前に介護保険サービスを利用することはできない。
- 4要介護認定の利用者負担割合は2割である。
- 5介護保険サービスの費用はサービスの利用回数に関わらず定額である。
答えと解説を見る
✓ これが正解1介護保険サービスの利用者負担割合は1割である。
解説
59歳の第2号被保険者なので、利用者負担割合は1割です。
事例の決め手は、Cさんが59歳であることです。介護保険の被保険者は、65歳以上の第1号被保険者と、40歳以上65歳未満で医療保険に加入している第2号被保険者に分かれます。59歳のCさんは第2号被保険者で、前頭側頭型認知症は、第2号被保険者が介護保険のサービスを受けられる特定疾病の一つである、初老期における認知症にあたります。
介護保険サービスの利用者負担割合は原則1割です。一定以上の所得がある人が2割や3割になる仕組みは、介護保険法第49条の2などで第1号被保険者に限って定められているため、第2号被保険者のCさんは所得にかかわらず1割になります。
第2号被保険者の保険料は、加入している医療保険の保険料と合わせて納めます。また、要介護認定は申請した日にさかのぼって効力が生じ、費用はサービスの種類や利用の量に応じて計算されます。
見分け方として、介護保険の事例では、まず年齢から第1号か第2号かを判断し、負担割合や保険料の納め方を考えましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2介護保険料は特別徴収によって納付する。:特別徴収は、年金から保険料を差し引いて納める方法で、65歳以上の第1号被保険者に用いられます。59歳のCさんは第2号被保険者なので、保険料は加入している医療保険の保険料と一緒に納めます。
- 3要介護認定の結果が出る前に介護保険サービスを利用することはできない。:要介護認定は、申請のあった日にさかのぼって効力を生じます。そのため、結果が出る前でも、暫定的なケアプランを作るなどして介護保険サービスを使い始めることができます。
- 4要介護認定の利用者負担割合は2割である。:要介護認定は介護が必要な度合いを判定する手続きで、それ自体に利用者負担割合があるわけではありません。サービスを使ったときの負担も、第2号被保険者のCさんは2割ではなく1割です。
- 5介護保険サービスの費用はサービスの利用回数に関わらず定額である。:介護保険サービスの多くは、利用したサービスの種類や回数、時間に応じて費用が計算されます。月単位の定額で計算されるサービスもありますが、全体として回数にかかわらず定額というわけではありません。
出典:第36回 介護福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題115。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)