システム監査|平成28年度 春期 ITパスポート試験(特別措置試験) 問35
ITガバナンスの実現を目的とした活動の事例として,最も適切なものはどれか。
- ある特定の操作を社内システムで行うと,無応答になる不具合を見つけたので,担当者ではないが自らの判断でシステムの修正を行った。
- ✓ これが正解業務効率向上の経営戦略に基づき社内システムをどこでも利用できるようにするために,タブレット端末を活用するIT戦略を立てて導入支援体制を確立した。
- 社内システムが稼働しているサーバ,PC,ディスプレイなどを,地震で机やラックから転落しないように耐震テープで固定した。
- 社内システムの保守担当者が,自己のキャリアパス実現のためにプロジェクトマネジメント能力を高める必要があると考え,自己啓発を行った。
解説
経営戦略からIT戦略を立て、体制まで整えた形が当たります。
ITガバナンスは、経営の側がITの使い方を統べる働きです。誰がやることなのかを先に決めると、四つはすぐに分かれます。統べるのは経営の側なので、現場の人が自分の判断でやったことは、どれだけ善意でも当てはまりません。四つの肢のうち三つは、現場の人が良かれと思って動いた話です。担当でないのに直したこと、機器を倒れないように留めたこと、自分の力を伸ばそうとしたこと。どれも組織の方針から始まっていません。残る一つだけが、経営の戦略から始まり、それに沿ったIT戦略を立て、支える体制まで整えたという順序で書かれています。上から下へ流れているかどうかで割ります。善意でやったことかどうかは関係ありません。見るのは、その動きが組織の方針から降りてきたかどうかです。下から始まった行いは当てはまりません。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 不具合を見つけたので、担当ではないのに自分の判断で直したという話です。統べる働きとは正反対で、決めた筋を外れた動きにあたります。四つの中で唯一、よい行いとも言えない肢になります。統べる働きとは向きが逆になります。
- 機器が地震で落ちないように、耐震のテープで留めたという話です。備えとしては正しいのですが、現場での物理的な対策であって、経営の方針から降りてきたものではありません。層が下すぎます。現場の層にとどまり、方針に届きません。
- 自分の進みたい道のために、管理の力を高めようと学んだという話です。前向きな行いですが、個人の中で完結しています。組織のITをどう使うかを決める働きとはまったく別の話になります。個人の中だけで閉じた話になります。
この問題に関係する言葉
- ITガバナンス組織が情報システムをうまく使えるように、経営者が方向づけと監視を行う仕組みです。情報セキュリティガバナンスとは範囲が重複する場合があります。
- IT戦略
- 内部統制不正やミスを防ぐため、承認や記録、点検といった手続きを業務そのものに組み込んでおく社内の仕組み。整備と運用の最終責任は経営者が負います。
- ガバナンス
出典:平成28年度 春期 ITパスポート試験(特別措置試験) 問35
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