第111回 午前 問45
公衆衛生看護活動展開論
起立性調節障害に関する問題
次の文を読み44~46の問いに答えよ。
Aさん(14歳、女子、中学3年生)は、夏休み明けから遅刻が増えている。本日も遅刻して登校し「登校途中にふらついて転んだ」と訴えて、教室に行かず保健室に来室した。
その後もAさんはたびたび遅刻し、体調不良を訴えて保健室に来室した。養護教諭が、学級担任に教室での様子を確認したところ、Aさんが授業中は無気力で寝ていることもあると分かったため、起立耐性失調〈起立性調節障害〉の疑いがあると推測した。養護教諭は、来室したAさんにこの疾患の症状に当てはまるか問診をしたところ、多くの症状が当てはまることが分かったため、専門医への受診が必要であることを伝えた。その後、保護者と専門医療機関を受診したAさんは、起立耐性失調〈起立性調節障害〉と診断された。養護教諭がAさんに行う支援で最も適切なのはどれか。
- 1Aさんの不安を受け止める。
- 2学校生活上の工夫を一緒に考える。
- 3体調不良時は欠席するよう勧める。
- 4規則正しい生活をすることを勧める。
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✓ これが正解2学校生活上の工夫を一緒に考える。
解説
診断後は、学校生活上の工夫をAさんと一緒に考えます。
起立性調節障害は、自律神経の働きの乱れにより、立ち上がったときに血圧が下がるなどして、朝起きられない、立ちくらみ、だるさなどの症状が出る病気です。思春期に多く、症状は午前中に強く午後には軽くなる傾向があり、本人の努力だけではどうにもならない身体の病気です。
診断を受けたAさんに養護教諭ができるのは、病気と付き合いながら学校生活を送れるよう、具体的な工夫をAさん自身と一緒に考えることです。たとえば、急に立ち上がらない、体調の悪いときに休める場所を決めておくなど、Aさんが実行しやすい方法を本人の思いを聞きながら探ります。本人が主体的に関わることで、学校生活への意欲も保ちやすくなります。したがって、学校生活上の工夫を一緒に考えることが最も適切な支援です。
不安の受け止めは支援の土台ですが、それだけでは学校生活の困りごとは解決しません。最も適切な支援を問われたら、本人の参加のもとで具体的な行動につなげる選択を考えましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1Aさんの不安を受け止める。:Aさんの不安を受け止めることは、関わりの土台として欠かせません。ただ、それだけでは遅刻や体調不良への対処は進まず、学校生活を送るための具体的な支援にはつながりません。
- 3体調不良時は欠席するよう勧める。:体調不良のたびに欠席を勧めると、学習の遅れや友人関係の途切れから、学校に通えなくなるおそれがあります。症状に合わせて学校で過ごせる工夫を探ることが大切です。
- 4規則正しい生活をすることを勧める。:規則正しい生活は大切ですが、起立性調節障害は本人の心がけだけで改善する病気ではありません。生活を正すよう勧めるだけでは、Aさんが責められていると感じるおそれもあります。
出典:第111回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問45(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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