第110回 午前 問46
公衆衛生看護活動展開論
職場巡視に関する問題
次の文を読み44~46の問いに答えよ。
A社は、従業員800人のIT企業である。システムエンジニアを中心としたBグループに在籍する30名の社員は全員が情報機器作業に従事している。平均年齢は42歳で、ここ数か月の1か月当たりの時間外労働時間が30時間を超える者はいない。保健師が定期健康診断後に社員全員の面談を実施したところ、Bグループにおいて肩こり、腰痛、眼の疲れを訴える者が多いことが分かった。
保健師は、Bグループの職場巡視をすることにした。
職場巡視の結果、情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインが遵守されていないことが分かった。保健師が最初に行う対応はどれか。
- 1衛生委員会に職場巡視の結果を報告する。
- 2情報機器作業者向けの健康相談を実施する。
- 3管理職向けの情報機器作業に関する労働衛生教育を実施する。
- 4Bグループのリーダーにガイドラインを遵守するよう指導する。
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✓ これが正解1衛生委員会に職場巡視の結果を報告する。
解説
巡視結果をまず衛生委員会に報告し、事業場として対策を審議します。
職場巡視の結果、情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインが守られていないことが分かりました。ガイドラインへの対応は、作業時間の決め方や機器・照明などの環境の整備を伴い、一人の社員やグループの努力だけでは改善できず、事業場として取り組むことが必要です。
衛生委員会は、労働者の健康障害を防ぐための対策などを調査審議するために事業場に置かれる場で、事業者側と労働者側の委員が参加します。ガイドラインも、衛生委員会等で、個々の情報機器作業を区分し、作業内容及び作業時間に応じた労働衛生管理を行うこととしています。巡視の結果を衛生委員会に報告すれば、問題を事業場全体で共有し、改善策を組織として決めて実行につなげられます。そのため、最初に行う対応は衛生委員会への報告です。
情報機器作業者向けの健康相談や、管理職向けの労働衛生教育は、改善策の1つとして有効ですが、事業場として方針を決めたうえで進めるものです。Bグループのリーダーに遵守を指導するだけでは、作業環境の整備など組織的な対応が必要な問題を個人の責任に押しつけることになります。
職場巡視で見つかった問題は、まず衛生委員会で共有し、組織として改善を決める、と覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2情報機器作業者向けの健康相談を実施する。:健康相談は、症状のある社員一人ひとりを支える方法として役立ちます。しかし、ガイドラインが守られていないという作業の仕組みの問題を改めるものではなく、最初の対応にはなりません。
- 3管理職向けの情報機器作業に関する労働衛生教育を実施する。:管理職への教育は、改善策の候補の1つとして考えられます。ただし、事業場として問題を共有し、どの対策をとるかを決める前に実施するのは、手順として前後が逆です。
- 4Bグループのリーダーにガイドラインを遵守するよう指導する。:グループのリーダーに遵守を求めても、作業時間の決め方や機器・照明の整備など、事業場が判断すべき事項は改善できません。組織的な対策を決める場を経ずに個人へ指導するのは不適切です。
出典:第110回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問46(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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