第110回 午前 問44
公衆衛生看護活動展開論
情報機器作業に関する問題
次の文を読み44~46の問いに答えよ。
A社は、従業員800人のIT企業である。システムエンジニアを中心としたBグループに在籍する30名の社員は全員が情報機器作業に従事している。平均年齢は42歳で、ここ数か月の1か月当たりの時間外労働時間が30時間を超える者はいない。保健師が定期健康診断後に社員全員の面談を実施したところ、Bグループにおいて肩こり、腰痛、眼の疲れを訴える者が多いことが分かった。
情報機器作業の健康障害対策を検討するにあたり確認すべき情報はどれか。2つ選べ。
- 1受動喫煙対策
- 2一連続作業時間
- 3職場の人間関係
- 4職場環境測定の結果
- 5生活習慣病の有病率
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✓ これが正解2一連続作業時間
✓ これが正解4職場環境測定の結果
解説
一連続作業時間と職場環境測定の結果を確認します。
情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインは、パソコンなどを使う作業による目の疲れや肩こり、腰痛などを防ぐために、事業者が行う作業環境管理、作業管理、健康管理などを示しています。Bグループでは肩こり、腰痛、眼の疲れの訴えが多く、時間外労働は月30時間を超えていないので、長時間労働よりも、作業の仕方と作業の環境に原因がないかを確かめることが必要です。
作業管理について、ガイドラインは、一連続作業時間が1時間を超えないようにし、次の連続作業までの間に10分~15分の作業休止時間を設け、一連続作業時間内に1回~2回程度の小休止を設けるよう指導することを求めています。連続して画面に向かう時間が長いほど目や筋肉の疲れがたまるため、一連続作業時間の確認が必要です。作業環境管理では、書類上及びキーボード上の照度を300ルクス以上とすることなどが示されており、照明などを確かめる職場環境測定の結果も、症状の原因を探る重要な情報です。この2つが正しい組です。
受動喫煙対策はたばこの煙による健康影響を防ぐもので、目の疲れや肩こりとは結びつきません。職場の人間関係はメンタルヘルスの面で大切ですが、今回の身体の症状の原因を探る情報ではありません。生活習慣病の有病率も、作業に伴う症状の対策を考える材料とはいえません。
情報機器作業の対策は、作業時間(作業管理)と照明などの環境(作業環境管理)の2つから確かめる、と覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1受動喫煙対策:受動喫煙の防止は、他人のたばこの煙を吸い込むことによる健康への影響を減らすための取り組みです。画面を見続けることによる目の疲れや、同じ姿勢による肩や腰の痛みの原因は探れません。
- 3職場の人間関係:職場の人間関係はストレスや心の健康に関わる大切な情報ですが、今回の訴えは肩こりや腰痛、目の疲れといった体の症状です。情報機器作業の対策としての優先度は低くなります。
- 5生活習慣病の有病率:生活習慣病の有病率は、社員の健康状態の全体像を知る材料にはなります。しかし、情報機器作業に伴う目や筋肉の症状の原因を調べ、作業の対策を立てる情報ではありません。
出典:第110回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問44(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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