第109回 午前 問22
公衆衛生看護活動展開論
地球温暖化に関する問題
地球温暖化によって発生が増加するおそれがある感染症はどれか。
- 1後天性免疫不全症候群〈AIDS〉
- 2ポリオ〈急性灰白髄炎〉
- 3マラリア
- 4痘そう
- 5結核
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✓ これが正解3マラリア
解説
地球温暖化で蚊の生息域が広がると、マラリアの増加が心配されます。
地球温暖化と感染症の関係は、気温の上昇が病原体を運ぶ生き物(媒介動物)の分布や活動にどう影響するかで判断します。
マラリアは、マラリア原虫をもつハマダラカに刺されてうつる感染症です。蚊は気温が高いほど活動できる地域や期間が広がり、体内での原虫の発育も早まります。温暖化によって蚊が生息できる範囲が高緯度や高地に広がると、これまで流行のなかった地域にもマラリアが広がるおそれがあります。したがって、地球温暖化によって発生が増加するおそれがある感染症はマラリアです。デング熱など、ほかの蚊が媒介する感染症も同じ理由で注目されています。
ほかの感染症は、感染経路や現状から、気温との結びつきが弱いものです。AIDSは性的接触や血液を介して、ポリオは主に口から、結核は空気を介して人から人にうつり、蚊などの媒介動物を必要としません。痘そうは世界保健機関が根絶を宣言しており、自然界での流行は起きていません。
見分け方として、温暖化の影響を受けやすいのは蚊やダニが媒介する感染症と覚えておくと、似た問いにも対応できます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1後天性免疫不全症候群〈AIDS〉:後天性免疫不全症候群〈AIDS〉の原因となるHIVは、性的接触、血液、母子感染で人から人にうつります。蚊などの媒介動物を介さないため、気温の上昇が流行に直接結びつく感染症ではありません。
- 2ポリオ〈急性灰白髄炎〉:ポリオは、ウイルスが便を通じて口から入ることで広がる感染症で、ワクチンで予防します。蚊が運ぶ病気ではなく、温暖化で発生が増えるとされる感染症の例には当たりません。
- 4痘そう:痘そうは、世界保健機関が1980年に根絶を宣言した感染症で、自然の流行は起きていません。人から人にうつる病気で、気温の変化によって発生が増える関係にはありません。
- 5結核:結核は、結核菌を含む飛沫核を吸い込むことでうつる空気感染の病気です。媒介動物を必要としないため、地球温暖化によって発生が増えるおそれのある感染症としては挙げられません。
出典:第109回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問22(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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