2025年1月 (特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会・一般社団法人金融財政事情研究会)問56
相続・事業承継
取引相場のない株式に関する問題
相続税における取引相場のない株式の評価に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、評価の対象となる株式は、特定の評価会社の株式には該当しないものとする。
- 1配当還元方式による株式の価額は、その株式の1株当たりの年配当金額を5%で還元した元本の金額によって評価する。
- 2類似業種比準価額を計算する場合の類似業種の株価は、課税時期の属する月以前3ヵ月間の各月の類似業種の株価のうち最も低いものとするが、納税義務者の選択により、類似業種の前年平均株価または課税時期の属する月以前2年間の平均株価によることができる。
- 3会社規模が小会社である会社において、中心的な同族株主が取得した株式の価額は、原則として、類似業種比準方式によって評価する。
- 4同族株主のいる会社において、同族株主以外の株主が取得した株式の価額は、その会社規模にかかわらず、原則として、純資産価額方式によって評価する。
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✓ これが正解2類似業種比準価額を計算する場合の類似業種の株価は、課税時期の属する月以前3ヵ月間の各月の類似業種の株価のうち最も低いものとするが、納税義務者の選択により、類似業種の前年平均株価または課税時期の属する月以前2年間の平均株価によることができる。
解説
類似業種の株価は、直前3ヵ月の最低値か前年平均・2年平均から選べます。
取引相場のない株式は、取得した人の立場と会社の規模によって評価方法が分かれます。同族株主等が取得した株式は原則的評価方式(類似業種比準方式・純資産価額方式など)で、同族株主以外の株主等が取得した株式は特例的な評価方式である配当還元方式で評価します。
類似業種比準方式で使う類似業種の株価は、財産評価基本通達で、課税時期の属する月以前3ヵ月間の各月の類似業種の株価のうち最も低いものとされ、納税義務者の選択により、類似業種の前年平均株価または課税時期の属する月以前2年間の平均株価によることもできます。したがって、この記述が適切です。
配当還元方式は、1年間の配当金額を10%の利率で還元して株式の価額を評価します。小会社の株式は、原則として純資産価額方式で評価します。同族株主のいる会社で同族株主以外の株主が取得した株式は、会社の規模にかかわらず、原則として配当還元方式で評価します。
見分け方は、経営に関わる同族株主は会社の中身で、配当を受け取るだけの少数株主は配当で評価する、と立場で区別することです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1配当還元方式による株式の価額は、その株式…:配当還元方式は、受け取る1年間の配当金額を一定の利率で割り戻して株価を求める方法で、その利率は10%です。5%で還元するとする点が誤りです。
- 3会社規模が小会社である会社において、中心…:会社規模が小会社の場合、中心的な同族株主が取得した株式は、原則として会社の純資産をもとにする純資産価額方式で評価します。類似業種比準方式を原則とする点が誤りです。
- 4同族株主のいる会社において、同族株主以外…:経営への支配力が小さい少数株主の株式は、配当を受け取る価値に着目して評価します。会社が大きくても小さくても配当還元方式が原則なので、純資産価額方式とする点が誤りです。
出典:2025年1月 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定 学科試験(特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会・一般社団法人金融財政事情研究会)問56(改変:肢の番号をそろえ、表・図を文字に書き写して加工)。解説は当サイト独自のもので、日本FP協会・金融財政事情研究会とは関係ありません。
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