2025年1月 (特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会・一般社団法人金融財政事情研究会)問5
ライフプランニングと資金計画
企業型年金に関する問題
確定拠出年金の企業型年金を新たに導入する際の既存の退職金制度等との関係等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1厚生年金適用事業所の事業主が企業型年金を実施しようとする場合、労使合意に基づいて企業型年金に係る規約を作成し、当該規約について都道府県知事の承認を受ける必要がある。
- 2退職給与規程に基づき退職一時金制度を実施している企業が、同制度を廃止して同制度に係る資産を企業型年金に移換する場合、単年度で一括して資産を移換することができる。
- 3確定給付企業年金を実施している企業が、同制度に係る資産を企業型年金に移換した場合、確定給付企業年金の加入期間は、60歳に達した日の前日が属する月以前の期間に限り、確定拠出年金の通算加入者等期間に通算される。
- 4中小企業退職金共済に加入している企業が、事業の拡充等により中小企業者でなくなり、所定の申出により共済契約を解除する場合、当該契約に係る資産を企業型年金に移換することはできない。
答えと解説を見る
✓ これが正解3確定給付企業年金を実施している企業が、同制度に係る資産を企業型年金に移換した場合、確定給付企業年金の加入期間は、60歳に達した日の前日が属する月以前の期間に限り、確定拠出年金の通算加入者等期間に通算される。
解説
DBからの移換では、60歳前の加入期間が通算加入者等期間に入ります。
企業型年金(企業型DC)は、会社が掛金を出し、従業員が自分で運用する確定拠出年金です。新しく導入するときは、規約の承認の手続きと、すでにある退職給付制度から資産を移すルールが確定拠出年金法などで決められています。
規約は労使の合意で作り、厚生労働大臣の承認を受けます。退職一時金制度の資産を移す場合は、一度にまとめてではなく、複数の年度に分けて均等に移換します。中小企業退職金共済に加入していた会社が中小企業者でなくなったときは、所定の申出により、その資産を企業型年金に移すことが認められています。
確定給付企業年金(DB)の資産を企業型年金に移した場合、DBの加入期間は、60歳に達した日の前日が属する月以前の部分に限って、確定拠出年金の通算加入者等期間に算入されます。通算加入者等期間は、老齢給付金を60歳から受け取れるかどうかを判断するときに使う期間です。この記述が適切です。
規約の承認は厚生労働大臣、退職一時金からの移換は年度を分けて行う、という2点を押さえると、ほかの記述の誤りに気付きやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1厚生年金適用事業所の事業主が企業型年金を…:企業型年金の規約を承認するのは厚生労働大臣で、都道府県知事ではありません。労使の合意にもとづいて規約を作るという前半は記述どおりですが、承認する行政機関の名前が誤っています。
- 2退職給与規程に基づき退職一時金制度を実施…:退職給与規程による退職一時金の原資を企業型年金に移すときは、移換を決めた後、数年度にわたって均等に分けて移すことになっています。単年度に一括で移せるとする点が誤りです。
- 4中小企業退職金共済に加入している企業が、…:中小企業退職金共済の契約者だった会社が、規模が大きくなって中小企業者に当たらなくなり共済契約を解除するときは、所定の手続きで資産を企業型年金に移すことができます。移換できないとする記述は誤りです。
出典:2025年1月 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定 学科試験(特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会・一般社団法人金融財政事情研究会)問5(改変:肢の番号をそろえ、表・図を文字に書き写して加工)。解説は当サイト独自のもので、日本FP協会・金融財政事情研究会とは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)