2023年9月 (特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会・一般社団法人金融財政事情研究会)問33
タックスプランニング
所得税の損益通算に関する問題
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所得税の損益通算に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1終身保険の解約返戻金を受け取ったことによる一時所得の金額の計算上生じた損失の金額は、給与所得の金額と損益通算することができる。
- 2先物取引に係る雑所得の金額の計算上生じた損失の金額は、上場株式等に係る譲渡所得の金額と損益通算することができる。
- 3不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、不動産所得を生ずべき業務の用に供する土地の取得に要した負債の利子の額に相当する部分の金額は、事業所得の金額と損益通算することができる。
- 4業務用車両を売却したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、事業所得の金額と損益通算することができる。
答えと解説
✓ これが正解4業務用車両を売却したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、事業所得の金額と損益通算することができる。
解説
業務用車両の売却損(総合課税の譲渡所得)は事業所得と損益通算できます。
この問は、所得税の損益通算(ある所得の損失を他の所得から差し引くこと)ができる損失と、できない損失を問うものです。
損益通算ができるのは、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の4つの所得で生じた損失です。業務用車両を売却したことによる損失は、総合課税の譲渡所得の損失なので、事業所得などの他の所得と損益通算できます。この記述が適切で、正解です。ただし、譲渡所得でも、土地・建物や株式の譲渡による損失、生活に通常必要でない資産の損失などは、原則として損益通算できません。
ほかの記述は不適切です。一時所得や雑所得の計算上生じた損失は、他の所得から差し引くことはできません。申告分離課税の先物取引に係る雑所得等の損失も、先物取引に係る雑所得等以外の所得とは損益通算できません。不動産所得の損失のうち、土地を取得するために要した負債の利子に相当する部分は、損益通算の対象から除かれます。
損益通算できるのは不動産・事業・山林・譲渡の4つ(頭文字をとって富士山上と覚える方法があります)で、その中にも除外がある、と2段階で確認すると判断しやすくなります。
ほかの選択肢の解説
- 1終身保険の解約返戻金を受け取ったことによる一時所得の金額の計算上生じた損失の金額は、給与所得の金額と損益通算することができる。:一時所得の計算で損失が出ても、その損失は他の所得から差し引けません。終身保険の解約で受け取った額が払込保険料より少なくても、給与所得と通算することはできないので、この記述は不適切です。
- 2先物取引に係る雑所得の金額の計算上生じた損失の金額は、上場株式等に係る譲渡所得の金額と損益通算することができる。:先物取引に係る雑所得等は申告分離課税で、その損失は先物取引の所得の中でしか通算できません。上場株式等の譲渡所得とは別の区分なので、通算できるとする記述は不適切です。
- 3不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、不動産所得を生ずべき業務の用に供する土地の取得に要した負債の利子の額に相当する部分の金額は、事業所得の金額と損益通算することができる。:賃貸アパートの赤字のうち、敷地を買うための借入金にかかった利子の分は、他の所得と相殺できないルールがあります。建物にかかる利子の分なら相殺できるので、全体を事業所得と通算できるとする記述は不適切です。
出典:2023年9月 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定 学科試験(特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会・一般社団法人金融財政事情研究会)問33(改変:肢の番号をそろえ、表・図を文字に書き写して加工)。解説は当サイト独自のもので、日本FP協会・金融財政事情研究会とは関係ありません。
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