2023年5月 (特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会・一般社団法人金融財政事情研究会)問41
不動産
不動産鑑定評価基準に関する問題
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不動産鑑定評価基準における不動産の価格を求める鑑定評価の手法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1収益還元法は、文化財の指定を受けた建造物等の一般的に市場性を有しない不動産以外のものには基本的にすべて適用すべきものとされている。
- 2収益還元法のうち直接還元法は、対象不動産の一期間の純収益を還元利回りで還元して対象不動産の価格を求める手法である。
- 3原価法は、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の価格を求める手法である。
- 4取引事例比較法では、取引事例の取引時点が価格時点と異なり、その間に価格水準の変動があると認められる場合であっても、当該取引事例の価格は取引時点の価格から修正する必要はないとされている。
答えと解説
✓ これが正解4取引事例比較法では、取引事例の取引時点が価格時点と異なり、その間に価格水準の変動があると認められる場合であっても、当該取引事例の価格は取引時点の価格から修正する必要はないとされている。
解説
取引事例比較法では、取引時点と価格時点の差を時点修正します。
この問は、不動産鑑定評価基準が定める価格を求める3つの手法(原価法・取引事例比較法・収益還元法)の内容を問うものです。
取引事例比較法は、似た不動産の取引事例を集め、その価格に事情補正や時点修正を行い、地域要因や個別的要因を比べて対象不動産の価格を求める手法です。取引事例の取引時点と価格時点が異なり、その間に価格水準が変動していれば、取引時点の価格を価格時点の水準に直す時点修正が必要です。修正する必要はないとする記述は不適切です。
ほかの記述は適切です。収益還元法は、文化財に指定された建造物のように市場性をもたない不動産以外には、基本的にすべて適用すべきとされています。直接還元法は、一期間の純収益を還元利回りで割り戻して価格を求める手法です。原価法は、価格時点での再調達原価を求め、そこから経年などによる減価修正を行って価格を求める手法です。
取引事例比較法は事情補正と時点修正、原価法は減価修正、収益還元法は還元利回りや割引率、と手法ごとの調整の名前をセットで覚えておくと見分けやすくなります。
ほかの選択肢の解説
- 1収益還元法は、文化財の指定を受けた建造物等の一般的に市場性を有しない不動産以外のものには基本的にすべて適用すべきものとされている。:収益還元法は、不動産が将来生み出す収益に着目して価格を求める手法です。賃貸用でない自用の不動産でも賃料を想定して使えるため、市場性のない文化財などを除いて基本的に適用すべきとされ、記述は適切です。
- 2収益還元法のうち直接還元法は、対象不動産の一期間の純収益を還元利回りで還元して対象不動産の価格を求める手法である。:直接還元法は、1年間など一期間の純収益を、還元利回りで割り戻して価格を求める方法です。複数期間の収益を割り引くDCF法と並ぶ収益還元法の一つで、記述は適切です。
- 3原価法は、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の価格を求める手法である。:原価法は、いまその建物を建て直すといくらかかるかという再調達原価を出し、築年数による劣化などを差し引いて価格を求める手法です。記述は手順を正しく示しているので適切です。
出典:2023年5月 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定 学科試験(特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会・一般社団法人金融財政事情研究会)問41(改変:肢の番号をそろえ、表・図を文字に書き写して加工)。解説は当サイト独自のもので、日本FP協会・金融財政事情研究会とは関係ありません。
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