平成23年度 特別 午前 問78
法務
偽装請負となるもの
偽装請負となるものはどれか。
- ア請負契約の要員が業務で使用するコンピュータや開発ツールなどは請負業者側で調達し管理する。
- イ請負契約の要員が発注先の事務所で業務を行う場合の規律,服装などの管理は,請負業者側で行う。
- ウ請負契約の要員と発注者の社員が混在しているチームで,発注者側の責任者が業務の割振り,指示を行う。
- エ請負契約の要員の時間外労働,休日労働は,業務の進捗状況などをみて請負業者の責任者が決める。
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✓ これが正解ウ請負契約の要員と発注者の社員が混在しているチームで,発注者側の責任者が業務の割振り,指示を行う。
解説
発注者が直接指示していれば偽装請負です。
分かれ目はただ一点、誰が指揮命令をするかだけです。契約の形を、指示を出す人で並べ直してください。請負契約なら指示を出すのは請負業者で、約束しているのは仕事の完成です。委任や準委任なら指示を出すのは受託した側で、約束しているのは行為を行うことです。労働者派遣なら指示を出すのは派遣先、つまり発注する側で、だからこそ派遣に関する法の規制を受けます。正解の肢は、請負契約の要員と発注者の社員が混在しているチームで、発注者側の責任者が業務の割振りと指示を行う、と述べています。指揮命令が発注者へ移っていますので、契約の名前が請負であっても中身は労働者派遣です。これが偽装請負と呼ばれるものです。なぜ問題になるかというと、期間の制限や働く人の保護、責任の所在といった守りをすり抜けたまま、実質的に人を使う形になるからです。気をつけてほしいのは、混在したチームそのものが直ちにいけないわけではない点です。決め手は指示の出どころのほうにあります。残る三つは、どれも請負として正しい姿を述べています。四つの肢は、設備と場所と指示と労働時間を一つずつ当てて作られています。判断の軸は指示だけで、場所や設備や混在は材料にはなっても決め手にはなりません。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア請負契約の要員が業務で使用するコンピュー…:業務で使う機材を請負業者の側で調達し、管理するという話です。自前で設備をそろえていることは、独立して仕事を請けている証しの一つになりますので、むしろ正しい姿のほうに数えられます。
- イ請負契約の要員が発注先の事務所で業務を行…:発注先の事務所で、という語に引かれやすい肢ですが、働く場所そのものは判断の基準になりません。場所を借りていても、規律や服装を管理しているのが請負業者であれば、筋は通っています。
- エ請負契約の要員の時間外労働,休日労働は,…:時間外や休日に働かせるかどうかを決めるのは、雇っている側の責任です。請負業者の責任者が決めているのですから正しい形で、逆にここを発注者が決めていれば、その時点で問われる側に回ります。
この問題の用語
- 請負契約仕事の完成を約束して引き受ける契約のこと。作業の遂行だけを約束する準委任契約と違い、成果物を完成させる義務を負います。
- 調達必要なシステムや物品を、外部の事業者から手に入れる一連の手続です。情報提供の依頼、提案の依頼、選定、契約の順に進みます。
- 時間外労働法律で定められた労働時間を超えて働くことをいいます。年俸制や事業場外労働であっても、手当の支払いが不要になるわけではありません。
出典:平成23年度 特別 応用情報技術者試験 午前 問78
同じ用語が出る問題
- 令和5年度 秋期 午前 問80(請負契約)
- 令和4年度 秋期 午前 問79:指揮命令権と雇用契約(請負契約)
- 令和4年度 春期 午前 問79:偽装請負とされる事象(請負契約)
- 平成30年度 秋期 午前 問80:下請代金支払遅延等防止法の問題(請負契約)
- 平成26年度 春期 午前 問78:労働基準法に関する問題(時間外労働)
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