平成22年度 秋期 午前 問61
システム戦略
全体最適化に関する問題
エンタープライズアーキテクチャを説明したものはどれか。
- ア企業が競争優位性の構築を目的に IT 戦略の策定・実行をコントロールし,あるべき方向へ導く組織能力のことである。
- イ業務を管理するシステムにおいて,承認された業務がすべて正確に処理,記録されることを確保するために,業務プロセスに組み込まれた内部統制のことである。
- ウ組織全体の業務とシステムを統一的な手法でモデル化し,業務とシステムを同時に改善することを目的とした,業務とシステムの最適化手法である。
- エプロジェクトの進捗や作業のパフォーマンスを,出来高の価値によって定量化し,プロジェクトの現在及び今後の状況を評価する手法である。
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✓ これが正解ウ組織全体の業務とシステムを統一的な手法でモデル化し,業務とシステムを同時に改善することを目的とした,業務とシステムの最適化手法である。
解説
組織全体の業務とシステムを最適化する手法です。
四つの記述は、どれも実在する考え方の説明です。ですから中身の良し悪しでは切り分けられません。判定の軸は、その記述が最後に何と言い切っているか、つまり文末の名詞の種類という一点になります。正解は、組織全体の業務とシステムを統一的な手法でモデル化し、業務とシステムを同時に改善することを目的とした、業務とシステムの最適化手法であるという記述です。エンタープライズアーキテクチャの柱は三つあります。部門ごとの部分ではなく組織全体を見ること、同じ書き方で描いて比べられるようにすること、そしてシステムだけでなく業務も一緒に見直すことです。描くときはビジネス、データ、アプリケーション、テクノロジという四つの体系に分け、それぞれについて現状の姿と目指す姿を置いて、その差を埋める道筋を考えます。全体最適化を目的に据えた手法である、と押さえておくと、似た響きの語と混ざりません。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア企業が競争優位性の構築を目的に IT 戦…:競争で優位に立つために情報技術の戦略を導いていく組織能力を述べた記述です。言い切っている言葉が能力であって、描いて見直すための手立てではなく、方向づけて統制する力の話にとどまります。
- イ業務を管理するシステムにおいて,承認され…:承認された仕事が正確に処理され記録されることを確かにするため、仕事の流れの中へ組み込む内部統制の記述です。統制や監査の領域に属する語であり、組織の姿を描いて見直す枠組みではありません。
- エプロジェクトの進捗や作業のパフォーマンス…:出来高の価値によって進み具合や作業の実績を数値にし、今後の見通しを評価する手法の記述です。対象が一つのプロジェクトの管理に閉じているので、組織の全体像を扱う語にはなりません。
この問題の用語
- コントロール目的どおりに業務が進むように組み込む、決まりや点検、仕組みのことです。監査では、その整備と運用の状況が評価されます。
- 組織目的を果たすために、人が役割を分けて集まったまとまりのことです。分け方には機能別、事業部制、マトリックスなどの形があります。
- 業務プロセス仕事の目的を果たすまでの一連の手順のこと。RPAなどを導入する前に、全体を見える形にして見直すことが大切とされます。
- 内部統制不正やミスを防ぐため、承認や記録、点検といった手続きを業務そのものに組み込んでおく社内の仕組み。整備と運用の最終責任は経営者が負います。
- 改善悪いところを直して、より良い状態にすること。一度で終わらせず、計画・実行・評価・見直しを繰り返して続けるのが基本です。
- プロジェクトある目的のために期間を決めて行う、一回限りの活動。決算処理のように同じ手順を繰り返す定常業務とは区別されます。
- 作業工程を組み立てる、一つひとつの仕事の単位のことです。開始と終了、所要日数をもち、順序をつないで全体の日程を作ります。
出典:平成22年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問61
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前 問62:SOAの説明(業務プロセス)
- 令和7年度 秋期 午前 問60:コントロールに関する問題(コントロール)
- 令和7年度 春期 午前 問58:ウォークスルー法の説明(コントロール)
- 令和5年度 秋期 午前 問60:ITへの対応に関する問題(内部統制)
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