権利関係の練習問題 問36
権利関係
不法行為に関する問題
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不法行為に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
- アある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負うが、被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたときは、その責任を負わない。
- イ使用者が被用者の不法行為について被害者に損害を賠償したときであっても、使用者が被用者に対して求償権を行使することは妨げられない。
- ウ人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは、時効によって消滅する。
- エ被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。
答えと解説
✓ これが正解ウ人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは、時効によって消滅する。
解説
生命・身体を害する不法行為の請求権は、知った時から5年で時効消滅します。
故意または過失で他人の権利や法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負います(第709条)。この損害賠償請求権は、被害者またはその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間、または不法行為の時から20年間行使しないと、時効によって消滅します(第724条)。ただし、人の生命や身体を害する不法行為では、第724条の2により、知った時からの期間が「三年間」ではなく「五年間」になります。3年とする記述が誤りで、これが正解です。
使用者責任(第715条)は、事業のために人を使う者が、被用者が事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任です。使用者が被用者の選任と事業の監督に相当の注意をしたとき、または相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、責任を負いません(同条第1項ただし書)。賠償した使用者が被用者に求償権を行使することは妨げられません(同条第3項)。
被害者にも過失があったときは、裁判所はこれを考慮して損害賠償の額を定めることができます(第722条第2項。過失相殺といいます)。
ほかの選択肢の解説
- アある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負うが、被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたときは、その責任を負わない。:第715条第1項ただし書は、使用者が被用者の選任及び事業の監督について相当の注意をしたときは使用者責任を負わないと定めており、記述のとおりです。
- イ使用者が被用者の不法行為について被害者に損害を賠償したときであっても、使用者が被用者に対して求償権を行使することは妨げられない。:第715条第3項は、使用者責任の規定は使用者から被用者に対する求償権の行使を妨げないと定めており、記述のとおりです。
- エ被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。:第722条第2項は、被害者に過失があったときは、裁判所はこれを考慮して損害賠償の額を定めることができると定めており、記述のとおりです。
根拠:民法 第七百十五条第1項/民法 第七百十五条第3項/民法 第七百二十二条第2項/民法 第七百二十四条の二。この問題は法令の条文から当サイトが作成した練習問題です(過去問ではありません)。
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