権利関係の練習問題 問29
権利関係
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Aは、Bから住宅の建築を請け負い、完成した住宅をBに引き渡した。Bは、引渡しから半年が経過した時に初めて、住宅に品質に関して契約の内容に適合しない部分があることを知った。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
- ア不適合がBの供した材料の性質によって生じたものであり、Aがその材料が不適当であることを知らなかったときは、Bは、その不適合を理由として損害賠償の請求をすることができない。
- イ不適合がBの与えた指図によって生じたものであれば、Aがその指図が不適当であることを知りながら告げなかったときであっても、Bは、その不適合を理由として報酬の減額の請求をすることができない。
- ウAが引渡しの時に不適合を知らず、知らなかったことに重大な過失もない場合、Bは、住宅の引渡しを受けた時から1年以内にその旨をAに通知しなければ、不適合を理由として契約の解除をすることができない。
- エAが引渡しの時に不適合を重大な過失によって知らなかったときでも、Bは、不適合を知った時から1年以内にその旨をAに通知しなければ、その不適合を理由として損害賠償の請求をすることができない。
答えと解説
✓ これが正解ア不適合がBの供した材料の性質によって生じたものであり、Aがその材料が不適当であることを知らなかったときは、Bは、その不適合を理由として損害賠償の請求をすることができない。
解説
注文者の材料が原因の不適合は、原則として請負人の責任を問えません。
請負で完成・引渡しをした物が種類や品質について契約の内容に合わないときも、注文者は、履行の追完、報酬の減額、損害賠償、解除を求めることができます。ただし、第636条本文は、その不適合が注文者の供した材料の性質や注文者の与えた指図によって生じたときは、注文者はこれらを請求できないと定めています。注文者自身が原因を作っているからです。例外として、請負人がその材料や指図が不適当であると知りながら告げなかったときは、この制限はかかりません(同条ただし書)。Aが材料の不適当を知らなかった場面では、Bは損害賠償を請求できないので、これが正しい記述です。
期間の制限は第637条にあります。注文者が不適合を知った時から1年以内に請負人に通知しないと、追完・減額・損害賠償・解除ができなくなります(同条第1項)。起算点は不適合を知った時で、引渡しの時ではありません。本問のBは引渡しから半年後に知ったので、その時から1年以内に通知すれば足ります。また、引渡しの時に請負人が不適合を知り、または重大な過失によって知らなかったときは、この1年の制限は適用されません(同条第2項)。
ほかの選択肢の解説
- イ不適合がBの与えた指図によって生じたものであれば、Aがその指図が不適当であることを知りながら告げなかったときであっても、Bは、その不適合を理由として報酬の減額の請求をすることができない。:第636条ただし書により、請負人が指図の不適当であることを知りながら告げなかったときは、指図による不適合であっても、注文者は報酬の減額などを請求できます。
- ウ…知らず、知らなかったことに重大な過失もない場合、Bは、住宅の引渡しを受けた時から1年以内にその旨をAに通知しなければ、不適合を理由として契約の解除をすることができない。:第637条第1項の1年の期間は、注文者が不適合を知った時から数えます。引渡しから半年後に知ったBは、その時から1年以内に通知すれば足り、引渡しを受けた時から数えるとする点が誤りです。
- エ…重大な過失によって知らなかったときでも、Bは、不適合を知った時から1年以内にその旨をAに通知しなければ、その不適合を理由として損害賠償の請求をすることができない。:第637条第2項により、引渡しの時に請負人が不適合を知り、または重大な過失によって知らなかったときは、1年以内の通知の制限は適用されません。
根拠:民法 第六百三十六条/民法 第六百三十七条第1項/民法 第六百三十七条第2項。この問題は法令の条文から当サイトが作成した練習問題です(過去問ではありません)。
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