権利関係の練習問題 問26
権利関係
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Aは、その所有する甲建物をBに賃貸し、引き渡した。修繕及び費用の負担について、AB間に特約はない。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
- アBが甲建物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、Bは、賃貸借が終了した時でなければ、Aに対してその償還を請求することができない。
- イAは、甲建物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負うが、Bの責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。
- ウBが修繕が必要である旨をAに通知したにもかかわらず、Aが相当の期間内に必要な修繕をしないときは、Bは、その修繕をすることができる。
- エAが甲建物の保存に必要な行為をしようとするときは、Bは、これを拒むことができない。
答えと解説
✓ これが正解アBが甲建物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、Bは、賃貸借が終了した時でなければ、Aに対してその償還を請求することができない。
解説
必要費は、賃借人が支出したら直ちに償還を請求できます。
賃貸借では、賃貸人が賃貸物の使用・収益に必要な修繕をする義務を負います(第606条第1項)。ただし、賃借人の責めに帰すべき事由(賃借人のせい)で修繕が必要になったときは、賃貸人は修繕の義務を負いません(同項ただし書)。また、賃貸人が保存に必要な行為をしようとするとき、賃借人はこれを拒めません(同条第2項)。
賃借人が自分で修繕できるのは第607条の2の場合です。賃借人が修繕の必要を通知した(または賃貸人がそれを知った)のに賃貸人が相当の期間内に修繕しないとき(同条第一号)と、急迫の事情があるとき(同条第二号)です。
賃借人が費用を出した場合、必要費(物を使える状態に保つための費用)と有益費(物の価値を高める費用)で扱いが違います。第608条第1項により、賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、直ちに償還を請求できます。賃貸借の終了の時に償還するのは有益費のほうです(同条第2項)。したがって、必要費も終了時まで請求できないとする記述が誤りで、これが正解です。
ほかの選択肢の解説
- イAは、甲建物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負うが、Bの責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。:第606条第1項は、賃貸人は使用及び収益に必要な修繕をする義務を負うが、賃借人の責めに帰すべき事由によって修繕が必要となったときはこの限りでないと定めており、記述のとおりです。
- ウBが修繕が必要である旨をAに通知したにもかかわらず、Aが相当の期間内に必要な修繕をしないときは、Bは、その修繕をすることができる。:第607条の2第一号により、賃借人が修繕が必要である旨を通知したのに賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないときは、賃借人が修繕できます。記述のとおりです。
- エAが甲建物の保存に必要な行為をしようとするときは、Bは、これを拒むことができない。:第606条第2項は、賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするときは、賃借人はこれを拒むことができないと定めており、記述のとおりです。
根拠:民法 第六百六条第1項/民法 第六百六条第2項/民法 第六百七条の二第一号/民法 第六百八条第1項。この問題は法令の条文から当サイトが作成した練習問題です(過去問ではありません)。
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