権利関係の練習問題 問25
権利関係
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Aは、その所有する甲土地を、資材置場として使用する目的(建物の所有を目的としない)でBに賃貸して引き渡し、その賃借権の登記をした。その後、Aは、甲土地をCに売却した。AとCとの間で、賃貸人たる地位をAに留保する旨の合意はない。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
- ア甲土地の賃貸人たる地位は、Bの承諾がなければ、Cに移転しない。
- イCは、甲土地について所有権の移転の登記をしなければ、賃貸人たる地位の移転をBに対抗することができない。
- ウBがAに敷金を交付していた場合、その敷金の返還に係る債務はAが負ったままであり、Cは承継しない。
- エBは、賃借権の登記をしていても、甲土地の所有権を取得したCに対しては、賃借権を対抗することができない。
答えと解説
✓ これが正解イCは、甲土地について所有権の移転の登記をしなければ、賃貸人たる地位の移転をBに対抗することができない。
解説
新所有者は、所有権移転の登記がないと賃貸人の地位を賃借人に主張できません。
不動産の賃貸借は、登記をすれば、その不動産について物権を取得した者などの第三者に対抗する(自分の権利を主張する)ことができます(第605条)。本問の甲土地は建物の所有を目的としない資材置場の賃貸借なので、借地借家法の借地権には当たらず、民法の規定で考えます。Bは賃借権の登記をしているので、甲土地を買ったCに賃借権を対抗できます。
賃貸借が対抗要件を備えている場合に不動産が譲渡されると、賃貸人たる地位は譲受人に移転します(第605条の2第1項)。賃借人の承諾は条文の要件になっていません。ただし、この地位の移転は、賃貸物である不動産について所有権の移転の登記をしなければ、賃借人に対抗できません(同条第3項)。したがって、Cが登記をしなければ賃貸人たる地位の移転をBに対抗できないという記述が正しいものです。
さらに、賃貸人たる地位が移転したときは、賃借人が支出した必要費などの費用の償還に係る債務と、敷金の返還に係る債務は、譲受人が承継します(同条第4項)。
ほかの選択肢の解説
- ア甲土地の賃貸人たる地位は、Bの承諾がなければ、Cに移転しない。:第605条の2第1項により、対抗要件を備えた賃貸借の目的である不動産が譲渡されたときは、賃貸人たる地位は譲受人に移転します。賃借人の承諾は要件ではありません。
- ウBがAに敷金を交付していた場合、その敷金の返還に係る債務はAが負ったままであり、Cは承継しない。:第605条の2第4項により、賃貸人たる地位が譲受人に移転したときは、敷金の返還に係る債務は譲受人が承継します。Cが承継しないとする点が誤りです。
- エBは、賃借権の登記をしていても、甲土地の所有権を取得したCに対しては、賃借権を対抗することができない。:第605条により、不動産の賃貸借は、登記をしたときは、その不動産について物権を取得した者その他の第三者に対抗できます。登記のあるBはCに対抗できます。
根拠:民法 第六百五条/民法 第六百五条の二第1項/民法 第六百五条の二第3項/民法 第六百五条の二第4項。この問題は法令の条文から当サイトが作成した練習問題です(過去問ではありません)。
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