権利関係の練習問題 問16
権利関係
抵当権に関する問題
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抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
- アAが、自己の債務を担保するため、A所有の甲建物にBのための抵当権を設定した場合において、甲建物が滅失したことによってAが受けるべき金銭があるときは、Bは、その払渡し又は引渡しの前に差押えをすることにより、その金銭に対しても抵当権を行使することができる。
- イAが、A所有の甲土地にBのための抵当権を設定した場合、その抵当権の効力は、甲土地の上に存するA所有の乙建物にも及ぶ。
- ウA所有の甲土地とその上のA所有の乙建物のうち、甲土地にBのための抵当権が設定され、その実行によりDが甲土地を買い受けて甲土地と乙建物の所有者が異なるに至った場合、乙建物について賃借権が設定されたものとみなされる。
- エ抵当権は、設定行為に別段の定めがある場合であっても、抵当不動産に付加して一体となっている物に及ぶ。
答えと解説
✓ これが正解アAが、自己の債務を担保するため、A所有の甲建物にBのための抵当権を設定した場合において、甲建物が滅失したことによってAが受けるべき金銭があるときは、Bは、その払渡し又は引渡しの前に差押えをすることにより、その金銭に対しても抵当権を行使することができる。
解説
抵当権者は、滅失で受けるべき金銭にも、払渡し前の差押えで権利を行使できます。
抵当権には、第372条により第304条が準用されます。第304条第1項は、目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても権利を行使できるとし、ただし書で、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならないとしています。これを物上代位といいます。甲建物の滅失によって債務者Aが受けるべき金銭に対し、Bは払渡し前に差押えをして抵当権を行使できます。これが正しい記述です。
抵当権の効力が及ぶ範囲について、第370条は、抵当地の上に存する建物を除き、抵当不動産に付加して一体となっている物に及ぶとしています。土地の抵当権は上の建物には及びません。また、同条ただし書により、設定行為に別段の定めがある場合などは、付加して一体となっている物にも及びません。
土地とその上の建物が同一の所有者に属し、その土地又は建物に抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったときは、第388条により、建物について地上権が設定されたものとみなされます(法定地上権)。地代は当事者の請求により裁判所が定めます。
ほかの選択肢の解説
- イAが、A所有の甲土地にBのための抵当権を設定した場合、その抵当権の効力は、甲土地の上に存するA所有の乙建物にも及ぶ。:第370条は、抵当権の効力が及ぶ範囲から抵当地の上に存する建物を除いています。甲土地の抵当権は、乙建物には及びません。
- ウA所有の甲土地とその上のA所有の乙建物のうち、甲土地にBのための抵当権が設定され、その実行によりDが甲土地を買い受けて甲土地と乙建物の所有者が異なるに至った場合、乙建物について賃借権が設定されたものとみなされる。:第388条により、この場合に建物について設定されたものとみなされるのは地上権です。賃借権ではありません。地代は当事者の請求により裁判所が定めます。
- エ抵当権は、設定行為に別段の定めがある場合であっても、抵当不動産に付加して一体となっている物に及ぶ。:第370条ただし書により、設定行為に別段の定めがある場合は、抵当不動産に付加して一体となっている物にも抵当権の効力は及びません。
根拠:民法 第三百七十条/民法 第三百七十二条/民法 第三百四条第1項/民法 第三百八十八条。この問題は法令の条文から当サイトが作成した練習問題です(過去問ではありません)。
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