権利関係の練習問題 問10
権利関係
完成猶予に関する問題
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AがBに対して有する貸金債権の消滅時効がまだ完成していない場合における時効の完成猶予及び更新に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
- アAがBに対して催告をした場合、その時から6か月を経過するまでの間は時効は完成せず、その間にAが再度の催告をしたときは、再度の催告の時から更に6か月を経過するまでの間、時効は完成しない。
- イAがBに対して裁判上の請求をしたが、確定判決などによって権利が確定することなく訴えの取下げによってその手続が終了した場合、時効は、裁判上の請求をした時から新たにその進行を始める。
- ウBがAに対して債務を承認した場合、時効の完成が猶予されるだけであり、時効が新たにその進行を始めることはない。
- エAがそれまでに催告をしていない状態で、AとBが権利についての協議を行う旨の合意を書面でした場合において、協議を行う期間を定めず、協議の続行を拒絶する旨の通知もされなかったときは、その合意があった時から1年を経過するまでの間は、時効は完成しない。
答えと解説
✓ これが正解エAがそれまでに催告をしていない状態で、AとBが権利についての協議を行う旨の合意を書面でした場合において、協議を行う期間を定めず、協議の続行を拒絶する旨の通知もされなかったときは、その合意があった時から1年を経過するまでの間は、時効は完成しない。
解説
書面による協議の合意があれば、原則として合意から1年間は時効が完成しません。
時効の完成猶予とは、一定の間、時効が完成しないことをいい、更新とは、それまでに経過した期間が意味を失い、時効が新たに進行を始めることをいいます。
第151条第1項は、権利についての協議を行う旨の合意が書面でされたときは、同項各号の時のいずれか早い時までの間、時効は完成しないとしています。各号は、合意から1年を経過した時(第1号)、1年に満たない協議期間を定めたときはその期間を経過した時(第2号)、協議の続行を拒絶する旨の通知が書面でされたときはその通知から6か月を経過した時(第3号)です。期間を定めず拒絶の通知もなければ、合意から1年を経過するまで時効は完成しません。これが正しい記述です。
催告による完成猶予は6か月ですが、第150条第2項により、その間にされた再度の催告には完成猶予の効力がありません。権利の承認は、第152条第1項により時効を更新させます。裁判上の請求は、権利が確定することなく取下げなどで終わったときは、第147条第1項の括弧書きにより、終了の時から6か月を経過するまで完成が猶予されるだけです。
ほかの選択肢の解説
- アAがBに対して催告をした場合、その時から6か月を経過するまでの間は時効は完成せず、その間にAが再度の催告をしたときは、再度の催告の時から更に6か月を経過するまでの間、時効は完成しない。:第150条第2項により、催告によって時効の完成が猶予されている間にされた再度の催告は、時効の完成猶予の効力を有しません。期間は延びません。
- イAがBに対して裁判上の請求をしたが、確定判決などによって権利が確定することなく訴えの取下げによってその手続が終了した場合、時効は、裁判上の請求をした時から新たにその進行を始める。:第147条第1項括弧書きにより、権利が確定することなく裁判上の請求が終了したときは、その終了の時から6か月を経過するまで時効が完成しないだけで、更新はされません。
- ウBがAに対して債務を承認した場合、時効の完成が猶予されるだけであり、時効が新たにその進行を始めることはない。:第152条第1項は、権利の承認があったときは、時効はその時から新たにその進行を始めると定めています。承認は完成猶予ではなく更新の事由です。
根拠:民法 第百四十七条第1項/民法 第百五十条第2項/民法 第百五十一条第1項第一号/民法 第百五十二条第1項。この問題は法令の条文から当サイトが作成した練習問題です(過去問ではありません)。
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