権利関係の練習問題 問9
権利関係
保証人に関する問題
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AはBに対して貸金債権を有している。Cはこの債務についてBの保証人となり、Dはこの債務を担保するため自己所有の土地に抵当権を設定した。この貸金債権の消滅時効に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
- ア消滅時効が完成した場合、Dは、権利の消滅について正当な利益を有する者として、時効を援用することができる。
- イAとBは、金銭の貸付けの際に、Bが将来完成する時効の利益を放棄する旨をあらかじめ合意することができる。
- ウ消滅時効が完成して援用された場合、その効力は時効が完成した時から生じ、起算日にさかのぼることはない。
- エ消滅時効が完成していれば、B、C及びDのいずれも援用しなくても、裁判所は、時効によって債権が消滅したものとして裁判をすることができる。
答えと解説
✓ これが正解ア消滅時効が完成した場合、Dは、権利の消滅について正当な利益を有する者として、時効を援用することができる。
解説
物上保証人も、消滅時効を援用できる当事者に含まれます。
時効は、一定の期間が経つことで権利を取得させたり(取得時効)、権利を消滅させたりする(消滅時効)制度です。ただし、期間が経てば自動的に裁判で使われるわけではありません。第145条は、時効は当事者が援用(時効の利益を受けると主張すること)しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができないとしています。
第145条の括弧書きは、消滅時効について、援用できる当事者に保証人、物上保証人(他人の債務のために自分の財産に担保を設定した人)、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含めています。自己所有の土地に抵当権を設定したDは物上保証人なので、援用できます。これが正しい記述です。
時効の利益は、第146条によりあらかじめ放棄することができません。貸付けの時に放棄を合意しても、その効力は認められません。また、第144条により、時効の効力はその起算日にさかのぼります。
ほかの選択肢の解説
- イAとBは、金銭の貸付けの際に、Bが将来完成する時効の利益を放棄する旨をあらかじめ合意することができる。:第146条は、時効の利益はあらかじめ放棄することができないと定めています。時効の完成前に放棄する合意をしても、その効力は認められません。
- ウ消滅時効が完成して援用された場合、その効力は時効が完成した時から生じ、起算日にさかのぼることはない。:第144条は、時効の効力はその起算日にさかのぼると定めています。時効が完成した時から将来に向かって生じるのではありません。
- エ消滅時効が完成していれば、B、C及びDのいずれも援用しなくても、裁判所は、時効によって債権が消滅したものとして裁判をすることができる。:第145条により、時効は当事者が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができません。完成しただけでは裁判の根拠になりません。
根拠:民法 第百四十四条/民法 第百四十五条/民法 第百四十六条。この問題は法令の条文から当サイトが作成した練習問題です(過去問ではありません)。
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