平成30年度 秋期 午前Ⅱ 問15
システム監査
業務処理統制に関する問題
内部統制報告制度において,原材料購買業務に係る取引の正当性を確保するための業務処理統制はどれか。
- ア原材料購入先ごとの購入金額を月次で集計して一覧表を作成し,購入条件の見直しによる原価低減を図る。
- イ原材料購入先に発注情報をネットワークで送信する仕組みを構築し,購買リードタイムの短縮につなげる。
- ウ定められた発注金額以上の原材料購入依頼を行う場合は,権限をもった上司が承認する。
- エ納品予定日の前日になっても原材料購入先から連絡がない場合,購買管理システムから警告メールが担当者に送られ督促を行うことで,納品の遅延を防止する。
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✓ これが正解ウ定められた発注金額以上の原材料購入依頼を行う場合は,権限をもった上司が承認する。
解説
一定額以上の発注を権限者が承認し、取引の正当性を確保します。
業務処理統制は、個々の業務の処理が正しく行われるよう、業務の流れの中に組み込む統制です。設問が求めているのは、原材料購買の取引の正当性、つまりその取引が正しい権限のもとで認められたものであることを確保する統制です。見分ける軸は、その仕組みが取引の正当性を確かめるものか、効率や原価の改善を狙うものかです。定められた発注金額以上の購入依頼を、権限をもった上司が承認する仕組みは、担当者が独断で高額の取引を進めることを防ぎ、正当な取引だけを通します。他の選択肢は、原価の低減、リードタイムの短縮、納品の遅延防止といった業務の改善策です。目的が取引の正しさの確保か、業務の効率の向上かで分けると判断できます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア原材料購入先ごとの購入金額を月次で集計し…:購入先ごとの購入金額を月次で集計し、購入条件を見直すのは、原価を下げるための分析と改善の取組みです。取引が正しい権限のもとで行われたかを確かめる仕組みではないので、正当性を確保する業務処理統制にはあたりません。
- イ原材料購入先に発注情報をネットワークで送…:発注情報をネットワークで送る仕組みを作ってリードタイムを短くするのは、業務の効率を上げる施策です。発注そのものが正当かどうかを確かめる手続は含まれておらず、取引の正当性を確保する統制とは目的が違います。
- エ納品予定日の前日になっても原材料購入先か…:納品予定日の前日に警告メールを送って督促するのは、納品の遅延を防ぐための仕組みです。取引の正当性ではなく納期の管理を目的としたもので、設問が求める統制の目的とは合いません。
この問題の用語
- 業務処理統制個々の業務の処理が正しく行われるよう、中に組み込む統制です。入力した値と原票を突き合わせる手続が、その一例です。
- 内部統制不正やミスを防ぐため、承認や記録、点検といった手続きを業務そのものに組み込んでおく社内の仕組み。整備と運用の最終責任は経営者が負います。
- 原価製品やサービスを作るためにかかった費用のことです。材料費、労務費、経費を合わせて、その期の製造費用として計算します。
- 権限そのアカウントに許された操作の範囲のことです。用途ごとに必要なものだけを与え、定義用と更新用のように分けて持たせます。
出典:平成30年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問15
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 春期 午前Ⅱ 問14:内部統制に関する問題(内部統制)
- 令和6年度 春期 午前Ⅱ 問16(権限)
- 令和4年度 春期 午前Ⅱ 問12(権限)
- 平成29年度 秋期 午前Ⅱ 問15:職務の分離の例(内部統制)
- 平成22年度 秋期 午前Ⅱ 問15(原価)
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