平成22年度 秋期 午前Ⅱ 問17
システム監査
請負契約に関する問題
請負契約でシステム開発を委託している案件について,委託元のシステム監査人の指摘事項に該当するものはどれか。
- ア委託した開発案件の品質を委託元の管理者が定期的にモニタリングしている。
- イ委託元の管理者が委託先の開発担当者を指揮命令している。
- ウ契約書に機密保持のための必要事項が盛り込まれている。
- エ特定の委託先との契約が長期化しているので,その妥当性を確認している。
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✓ これが正解イ委託元の管理者が委託先の開発担当者を指揮命令している。
解説
委託元が委託先の担当者を直接指揮命令するのは請負では不適切です。
請負契約は、受託者が仕事の完成を約束し、その仕事を自らの指揮命令のもとで進める契約です。委託元が委託先の作業者に直接指示を出して働かせると、実態は労働者派遣と変わらなくなり、偽装請負と見なされるおそれがあります。見分ける軸は、記述が委託元として当然行うべき管理なのか、請負の性格に反する行為なのかです。委託元の管理者が委託先の開発担当者を指揮命令している状態は、後者に当たるため、システム監査人が指摘すべき事項になります。請負では成果物は管理しても人は指揮しない、と覚えておくと判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア委託した開発案件の品質を委託元の管理者が…:委託した開発案件の品質を委託元の管理者が定期的にモニタリングするのは、委託元として成果物の品質に責任を持つための適切な管理です。委託先の作業者に直接指示を出すこととは違い、指摘の対象にはなりません。
- ウ契約書に機密保持のための必要事項が盛り込…:契約書に機密保持の必要事項を盛り込むのは、委託先へ情報を渡す際の当然の対策です。外部委託の管理として望ましい状態であり、システム監査人が問題として指摘する事項ではありません。
- エ特定の委託先との契約が長期化しているので…:特定の委託先との契約が長期化していることについて、その妥当性を確かめるのは、依存の高まりや競争性の低下に気付くための適切な管理です。評価される側の良い取組みであり、指摘事項ではありません。
この問題の用語
- 請負契約仕事の完成を約束して引き受ける契約のこと。作業の遂行だけを約束する準委任契約と違い、成果物を完成させる義務を負います。
- 指揮命令働く人に仕事の内容や進め方を直接指示する関係のことです。派遣では派遣先が行いますが、請負では発注者ではなく受注した側が行います。
- システム監査情報システムが安全で正しく使われているかを、担当から独立した立場で点検し報告すること。直すべきところを見つけて伝えます。
- 監査人システム監査を行う人。作る側や運用する側から独立した立場を保ち、自分では作らずに規程や記録を見て確かめます。
- 指摘事項監査で見つかった、直すべき点として報告書に書かれる事柄です。決まりどおりに行われていた行為は、ここには含まれません。
- モニタリング活動が決めたとおり行われているかを継続して監視すること。システムの稼働や計画の進み具合を見て、異常やずれに早く気づくために行います。
- 委託先業務の一部を任せた相手の会社です。任せる内容や守るべき条件を契約で定め、委託した側が状況を確かめます。
- 機密決められた人以外に見せてはならない、という扱いのことです。社外秘などの区分を決め、書類に表示して全員に周知します。
出典:平成22年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問17
同じ用語が出る問題
- 令和元年度 秋期 午前Ⅱ 問8:サプライヤに関する問題(機密)
- 平成30年度 秋期 午前Ⅱ 問10:供給者管理に関する問題(請負契約)
- 平成28年度 秋期 午前Ⅱ 問15:内部統制に関する問題(モニタリング)
- 平成25年度 秋期 午前Ⅱ 問25:派遣先責任者に関する問題(指揮命令)
- 平成23年度 秋期 午前Ⅱ 問15:システム監査の要点(委託先)
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