第38回 問題72
ソーシャルワークの理論と方法
事例を読んで,A病院の医療福祉相談室でソーシャルワーク実習中のBが,急性硬膜下血腫と診断されたクライエントのCさん(32歳)とDソーシャルワーカーの面接に同席した日の実習記録の形式として,次のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
〈8月31日実習記録〉
外来の看護師から「医師に入院・手術を要すると言われたCさんがお金がないと繰り返すので,相談に乗ってほしい」と連絡があった。10分後にCさんが来室。建設現場での作業中に転倒し,その後,頭痛が続くので受診したという。CさんはDに「金がないと治療できない。入院したら仕事もろくにできない。どうしろっていうんだ」と声を荒げた。Dは,深くうなずきながら傾聴し,Cさんの気持ちを受け止めた上で,仕事中のけがは労働者災害補償制度が適用されるなどの説明をしていた。
- 1インターライ方式
- 2SOAP
- 3過程叙述体
- 4DAP
- 5要約体
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✓ これが正解3過程叙述体
解説
面接の経過を時間の流れに沿って詳しく書く形式は、過程叙述体です。
この事例の決め手は、実習記録の書き方です。記録は、看護師からの連絡、Cさんの来室、Cさんが語った経緯と言葉、Dソーシャルワーカーのうなずきや説明までを、起きた順に、やりとりの言葉も含めて詳しく書いています。ソーシャルワークの記録の形式のうち、どれにあたるかを選ぶ問です。
最も適切なのは、過程叙述体です。叙述体は、出来事を時間の流れに沿って文章で書く記録の文体で、そのうち過程叙述体は、面接の中でクライエントとワーカーがどのように話し、どう反応したかという過程を、詳しく書き留めるものです。事例の記録は、Cさんの言葉をそのまま書き、Dがどのように傾聴し、どんな説明をしたかまで順を追って記しています。実習や新人の教育、スーパービジョンの場面では、面接のやりとりを細かく振り返るためにこの形式がよく使われます。
記録の形式は、時間に沿って書く叙述体(過程を詳しく書くものと、圧縮して書くものがある)、要点をまとめる要約体、考えを示す説明体、問題ごとに項目で整理するSOAPなど、と分けて覚えると、事例の記録がどれにあたるかを判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1インターライ方式:インターライ方式は、高齢者などのケアプランを作るためのアセスメントの方式で、決まった項目に沿って利用者の状態を評価します。面接の経過を書く記録の形式ではありません。
- 2SOAP:SOAPは、主観的な情報、客観的な情報、アセスメント、計画の4つの項目に分けて書く、問題志向型の記録の形式です。事例の記録は項目に分けず、起きた順にやりとりを書いています。
- 4DAP:DAPは、データ、アセスメント、計画の3つの項目に分けて整理して書く記録の形式です。事例の記録のように、面接の流れを時間に沿って詳しく書くものではありません。
- 5要約体:要約体は、面接や支援の経過の要点を、整理してまとめて書く記録の文体です。事例の記録はやりとりの言葉まで細かく書いており、要点だけをまとめた形にはなっていません。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題72。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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