第38回 問題59
刑事司法と福祉
事例を読んで,次のうち,この中間決定を表す用語として,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
少年のAさん(16歳)は,窃盗を行ったことで家庭裁判所の審判に付された。ただ,家庭裁判所の裁判官は,最終的な判断を出す前に,Aさんに自宅での生活を送らせながら,要保護性の変化を見ていくための中間決定を行った。そこで,3か月間ほど,Aさんは,家庭裁判所調査官と定期的に面接をし,また遵守事項として定められた社会奉仕活動にもきちんと参加した。最終的に,家庭裁判所の裁判官は,Aさんの要保護性が既に十分解消されているとして,不処分決定を行った。
- 1保護処分
- 2観護処遇
- 3試験観察
- 4補導援護
- 5改善指導
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✓ これが正解3試験観察
解説
家庭裁判所調査官の観察に付す中間決定は、試験観察と呼ばれます。
この事例の決め手は、家庭裁判所の裁判官が、最終的な判断を出す前に、Aさんを自宅で生活させながら要保護性の変化を見ていくための中間決定をした、という部分です。その間、Aさんは家庭裁判所調査官と定期的に面接し、遵守事項として決められた社会奉仕活動に参加しました。少年審判の手続の中で、終局の決定の前に置かれる段階を指す用語を選ぶ問です。
最も適切なのは、試験観察です。少年法第25条は、家庭裁判所が保護処分を決めるために必要があると認めるときは、決定により、相当の期間、家庭裁判所調査官の観察に付すことができると定めています。観察の間には、遵守事項を定めてその履行を求めたり、条件をつけて保護者に引き渡したり、適当な施設や団体、個人に補導を委託したりすることもできます。少年の立ち直りの様子を実際の生活の中で確かめてから最終的な処分を決めるための仕組みで、事例のように要保護性が解消されたと判断されれば、不処分などの決定につながります。
少年事件の用語は、だれが(家庭裁判所・少年鑑別所・保護観察所・刑事施設)、どの段階で行うものかを対にして覚えると、似た言葉を取り違えにくくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1保護処分:保護処分は、家庭裁判所が審判の最後に言い渡す終局の決定で、保護観察や少年院送致などがあります。最終判断の前に様子を見るための中間決定とは段階が異なります。
- 2観護処遇:観護処遇は、少年鑑別所に収容されている少年に対して行われる処遇を指す言葉です。自宅で生活させながら家庭裁判所調査官が観察する中間決定を表す用語ではありません。
- 4補導援護:補導援護は、保護観察の中で、住居や就業の確保などを助けて自立した生活を支える働きかけを指します。保護観察所が行う保護観察の内容であり、家庭裁判所の中間決定ではありません。
- 5改善指導:改善指導は、刑事施設で受刑者に対して行われる、犯罪の責任の自覚や社会生活に適応する力を育てるための指導です。少年審判の途中で行われる家庭裁判所の決定とは関係がありません。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題59。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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