第38回 問題63
刑事司法と福祉
事例を読んで,次のうち,Aさんが利用できる制度として,適切なものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
Aさん(55歳)は,放火の被害に遭い,ケガはなかったものの自宅が全焼した。Aさんは,加害者の受刑中の処遇状況を知りたいと考えている。また,加害者の仮釈放の審理が行われる場合には,審理する機関に対して仮釈放に対する自身の考えを伝えたいと思っている。
- 1被害者等通知制度
- 2検察審査会に対する審査申立制度
- 3国選被害者参加弁護士制度
- 4被害者参加制度
- 5意見等聴取制度
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✓ これが正解1被害者等通知制度
✓ これが正解5意見等聴取制度
解説
処遇状況を知るには被害者等通知制度、仮釈放への意見には意見等聴取制度を使います。
この事例の決め手は、放火の被害に遭ったAさんの2つの希望です。一つは、受刑中の加害者の処遇状況を知りたいこと、もう一つは、加害者の仮釈放の審理が行われるときに、審理する機関に自分の考えを伝えたいことです。裁判が終わり加害者が受刑している段階で使える被害者のための制度を選ぶ問です。この問は適切なものを2つ選ぶ問です。
1つ目は、被害者等通知制度です。この制度では、希望する被害者などに、事件の処理の結果や裁判の結果に加えて、加害者の受刑中の処遇状況や釈放に関する情報などが通知されます。加害者が刑務所でどのように過ごしているかを知りたいというAさんの希望に応えるものです。
2つ目は、意見等聴取制度です。更生保護法第38条は、地方更生保護委員会が仮釈放を許すかどうかを審理するときに、被害者などから仮釈放や仮釈放中の保護観察などについての意見や被害に関する心情を述べたいという申出があれば、それを聴取すると定めています。仮釈放について自分の考えを伝えたいというAさんの希望にそのまま合います。
被害者の制度は、捜査・起訴の段階、裁判の段階、受刑・仮釈放の段階のどこで使うものかで分けて覚えると、事例の時点に合う制度を選びやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2検察審査会に対する審査申立制度:検察審査会に対する審査申立ては、検察官が事件を起訴しなかった処分が適切だったかの審査を求める制度です。加害者はすでに受刑しており、起訴しなかった処分を争う場面ではありません。
- 3国選被害者参加弁護士制度:国選被害者参加弁護士の制度は、刑事裁判に参加する被害者が経済的に弁護士を頼めないときに、国の費用で弁護士を付ける制度です。裁判が終わって受刑している段階のAさんの希望には合いません。
- 4被害者参加制度:被害者参加制度は、一定の事件の被害者などが刑事裁判の公判に出席し、被告人への質問などを行える制度です。すでに刑が確定して受刑中の段階で、処遇状況を知ったり仮釈放に意見したりする制度ではありません。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題63。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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