知的財産・労働/取引法規・技術者倫理・標準化|平成30年度 春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問34
A社が著作権を保有しているプログラムで実現している機能と,B社のプログラムが同じ機能をもつとき,A社に対するB社の著作権侵害に関する記述のうち,適切なものはどれか。
- A社のソースコードを無断で使用して,同じソースコードの記述で機能を実現しても,A社公表後1年未満にB社がプログラムを公表すれば,著作権侵害とならない。
- A社のソースコードを無断で使用して,同じソースコードの記述で機能を実現しても,プログラム名称を別名称にすれば,著作権侵害とならない。
- ✓ これが正解A社のソースコードを無断で使用していると,著作権の存続期間内は,著作権侵害となる。
- 同じ機能を実現しているのであれば,ソースコードの記述によらず,著作権侵害となる。
解説
無断で同じ記述を使えば存続期間内は侵害になります。
プログラムも著作物として著作権法で保護され、権利は作った時に生まれます。登録などの手続は要りません。そして著作権には存続期間があり、その間は権利が働き続けます。ですからB社が、A社のソースコードを無断で使って同じ記述のまま機能を実現していれば、存続期間の間はA社の著作権を侵害することになります。ここで効いているのは、無断で他人の記述をそのまま使ったという一点です。名称を別のものに変えても、いつ公表したかを工夫しても、その事実は変わりません。逆に、同じ機能であっても自分で別の記述を書いたのであれば、表現が違うので侵害にはなりません。なお存続期間は本問の出題後に延長されています。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 公表の早い遅いで侵害かどうかが決まる仕組みは、著作権法には置かれていません。権利は創作の時に生まれて存続期間の間続くので、あとから公表した側が一定期間内なら免れることはありません。
- 保護されているのはプログラムの表現の側であり、付けた名前ではありません。呼び名を差し替えても、無断で他人の記述をそのまま使っている以上、侵害という判断は動きません。
- 著作権が及ぶのは創作的な表現であって、実現している機能そのものではありません。自分で書いた別の記述で同じ働きを作ったのであれば、他人の表現を使ったことにはなりません。
この問題に関係する言葉
- 著作権法著作権の中身と、守られる範囲や例外を定めた法律。どこまでが引用として許されるかも、ここで決まっています。
- 著作権文章や絵、プログラムなどを作った人に自動で生まれる権利。届け出をしなくても、作った時点で発生します。
- 知的財産権発明や著作物、営業秘密など、人が生み出したものについての権利をまとめた呼び名。特許権や著作権が代表です。
出典:平成30年度 春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問34
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