第26回 問題45
ソーシャルワークの理論と方法(専門)
次のうち,統合失調症の再発率を高めるとされる家族の状況として,適切なものを1つ選びなさい。
- 1共依存
- 2イネイブリング
- 3高い感情表出
- 4投影性同一視
- 5逆転移
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✓ これが正解3高い感情表出
解説
家族の高い感情表出が、統合失調症の再発率を高めるとされます。
家族の感情表出(EE:Expressed Emotion)は、家族が本人に向ける感情の表し方を測る考え方です。批判的な言葉が多い、敵意を向ける、過度に心配して巻き込まれすぎる、といった状態が強い家族を、高い感情表出の家族と呼びます。研究では、こうした家族と暮らす統合失調症の人は、そうでない場合に比べて再発しやすいことが示されてきました。
この知見は家族を責めるためのものではありません。家族も病気に戸惑い、疲れているからこそ批判や過剰な心配が出やすくなります。そこで、病気の知識や対応の工夫を学ぶ家族心理教育が行われ、家族の負担を減らすことで再発の予防につなげようとしています。
他の言葉は、主に別の場面で使われる概念です。共依存やイネイブリングは、アルコールなどの依存症の家族関係を説明するときによく使われます。投影性同一視は心の防衛の仕組みを表す精神分析の用語で、逆転移は援助者の側に生じる感情を指します。どれも統合失調症の再発率と家族の状況を結びつけた概念ではありません。
覚え方として、統合失調症の再発と家族といえば感情表出、依存症と家族といえば共依存やイネイブリング、と対応させておくと見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1共依存:共依存は、相手の世話をすることに自分の存在価値を見いだし、互いに離れられなくなる関係を指します。主に依存症の家族の説明で使われる言葉です。
- 2イネイブリング:イネイブリングは、周囲の善意の手助けが、結果として依存行動を続けやすくしてしまうことです。依存症の支援で使われ、統合失調症の再発研究の概念ではありません。
- 4投影性同一視:投影性同一視は、自分の受け入れがたい部分を相手に投げ入れ、相手をそのように振る舞わせてしまう心の働きを表す精神分析の用語です。家族の状況の指標ではありません。
- 5逆転移:逆転移は、援助者や治療者がクライエントに対して抱く個人的な感情を指します。援助関係の中で生じるもので、家族の状況と再発率を結びつける概念ではありません。
出典:第26回 精神保健福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題45。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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