第26回 問題39
ソーシャルワークの理論と方法(専門)
次のうち,国連総会で採択された「精神疾患を有する者の保護及びメンタルヘルスケアの改善のための諸原則」(1991年)の内容として,正しいものを2つ選びなさい。
- 1入院原則として,精神保健施設へのアクセスは他の疾患とは異なる方法で行われる。
- 2患者の精神状態により,インフォームド・コンセントの権利を放棄するように求めたり,また放棄を勧めたりすることができる。
- 3精神疾患を有するとの判定は,各国が独自に認めた医学的基準に即して行われるものとする。
- 4不妊手術は,精神疾患の治療として,決してこれを行わないものとする。
- 5すべての人は,可能な最善のメンタルヘルスケアを受ける権利を有する。(注) 「精神疾患を有する者の保護及びメンタルヘルスケアの改善のための諸原則」の日本語訳は,厚生科学研究班の仮訳によるものである。
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✓ これが正解4不妊手術は,精神疾患の治療として,決してこれを行わないものとする。
✓ これが正解5すべての人は,可能な最善のメンタルヘルスケアを受ける権利を有する。(注) 「精神疾患を有する者の保護及びメンタルヘルスケアの改善のための諸原則」の日本語訳は,厚生科学研究班の仮訳によるものである。
解説
最善のケアを受ける権利と、治療としての不妊手術の禁止が原則にあります。
精神疾患を有する者の保護及びメンタルヘルスケアの改善のための諸原則は、1991年に国連総会で採択された、精神疾患のある人の権利と、治療や入院の在り方についての国際的な原則です。各記述が、精神疾患のある人を他の人と同じように扱い、その権利を守る方向の内容かどうかで判断します。この問は2つ選ぶ問です。
この諸原則は冒頭の原則で、すべての人は、可能な最善のメンタルヘルスケアを受ける権利を有し、そのケアは保健・社会ケアの制度の一部をなすものとしています。すべての人が可能な最善のメンタルヘルスケアを受ける権利を有するという記述は、この原則の内容どおりです。
また、治療についての原則の中で、不妊手術は精神疾患の治療として決して行ってはならないと定めています。身体に重大で元に戻せない影響を与える処置を、治療の名目で行うことを禁じたもので、不妊手術を精神疾患の治療として行わないとする記述も正しい内容です。
見分け方として、この諸原則は、他の疾患と同じ扱い、インフォームド・コンセントの尊重、国際的に認められた医学的基準による判定、と権利を守る方向でそろっているので、扱いを区別したり権利を放棄させたりする記述は誤りと考えると判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1入院原則として,精神保健施設へのアクセス…:諸原則は、精神保健施設へのアクセスは、他の疾患の施設へのアクセスと同じ方法で行われるとしています。精神疾患だけを異なる方法で扱うとする記述は、その趣旨と逆の内容です。
- 2患者の精神状態により,インフォームド・コ…:諸原則は、患者にインフォームド・コンセントの権利を放棄するよう求めたり勧めたりしてはならないとしています。精神状態を理由に放棄を求めることができるとする記述は、原則に反します。
- 3精神疾患を有するとの判定は,各国が独自に…:諸原則は、精神疾患を有するとの判定は、国際的に認められた医学的基準に従って行うとしています。各国が独自に認めた基準によるとする記述は、判定の基準の置き方を取り違えています。
出典:第26回 精神保健福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題39。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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