第26回 問題38
ソーシャルワークの理論と方法(専門)
次の記述のうち,レジリエンス(resilience)の説明として,正しいものを1つ選びなさい。
- 1自己決定能力を高め,自己を主張し,生きていく力を発揮すること。
- 2社会に完全かつ効果的に参加し,受け入れられていること。
- 3病気自体は治っていなくても,人生における新しい意味と目的を発展させること。
- 4困難な状況に耐え,やがて立ち直る力を本来的に有していること。
- 5全ての人を社会の構成員として包み込むこと。
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✓ これが正解4困難な状況に耐え,やがて立ち直る力を本来的に有していること。
解説
レジリエンスは、困難に耐え、やがて立ち直る力のことです。
レジリエンス(resilience)は、もともと物理学で弾力や復元力を表す語で、心理学やソーシャルワークでは、逆境や困難な状況に置かれても、それに耐え、やがて立ち直っていく力を指します。この力は特別な人だけでなく、人が本来的にもっているものと考えられています。各記述が、どの概念を説明しているかで判断します。
困難な状況に耐え、やがて立ち直る力を本来的に有していることという記述は、このレジリエンスの説明そのものです。精神保健福祉の実践では、本人の弱さや病理だけでなく、困難から回復していく力に着目し、その力が発揮されるよう支えることが重視されます。
他の記述は、自己決定や自己主張の力を高めるエンパワメント、社会への完全かつ効果的な参加、病気が治っていなくても新しい意味と目的を見いだすリカバリー、全ての人を社会の構成員として包み込むソーシャルインクルージョンの説明にあたります。
覚え方として、レジリエンスは跳ね返す力、リカバリーは人生の意味を取り戻す過程、エンパワメントは力を高めること、インクルージョンは社会が包み込むこと、と主語と動きで区別すると迷いにくくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1自己決定能力を高め,自己を主張し,生きていく力を発揮すること。:自己決定能力を高め、自己を主張して生きていく力を発揮することは、本人が力を取り戻し高めていくエンパワメントの説明です。困難から立ち直る力を表すレジリエンスとは焦点が異なります。
- 2社会に完全かつ効果的に参加し,受け入れられていること。:社会に完全かつ効果的に参加し、受け入れられていることは、障害者権利条約の一般原則にも見られる社会参加の考え方です。本人の内にある回復の力を表すレジリエンスの説明ではありません。
- 3病気自体は治っていなくても,人生における新しい意味と目的を発展させること。:病気自体が治っていなくても、人生における新しい意味と目的を見いだしていくことは、リカバリーの説明として知られる内容です。困難に耐えて立ち直る力そのものを指すレジリエンスとは別の概念です。
- 5全ての人を社会の構成員として包み込むこと。:全ての人を社会の構成員として包み込むことは、ソーシャルインクルージョンの説明です。社会の側の在り方を表す理念であり、個人がもつ立ち直る力を指すレジリエンスとは主語が異なります。
出典:第26回 精神保健福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題38。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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