第61回 午後 問96
臨床医学
アルコール依存症で正しいの
アルコール依存症で正しいのはどれか。
- 1抑うつが併存することが多い。
- 2飲酒行動の多様性は維持される。
- 3振戦せん妄では見当識は保たれる。
- 4病気の進行に伴い、以前より少ない量で酩酊するようになる。
- 5離脱の早期症候群は飲酒中止後72時間前後にみられることが多い。
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✓ これが正解1抑うつが併存することが多い。
解説
アルコール依存症では抑うつが併存することが多くあります。
アルコール依存症は、飲酒をやめたり減らしたりすることが自分ではできなくなる病気です。判断の軸は、併存しやすい精神疾患、飲酒行動の変化、耐性、離脱症状の時期と症状です。
アルコール依存症では、うつ病や不安障害を併せもつ人が多いことが知られています。飲酒そのものが気分を落ち込ませる一方で、落ち込みを紛らわすために飲酒が増えるという悪循環も起こり、自殺の危険を高める要因にもなります。よって抑うつが併存することが多いという記述が正しいものです。
依存が進むと、時と場所を選ばず同じような飲み方を繰り返すようになり、飲酒行動は単一化・パターン化します(多様性は失われます)。耐性ができて、同じ酔いを得るのに以前より多くの量が必要になります。振戦せん妄は飲酒をやめて数日後に起こる後期の離脱症状で、意識が混濁し、見当識は障害され、幻視などを伴います。手のふるえや発汗、不眠といった早期の離脱症状は、飲酒をやめて数時間から1日ほどで現れることが多く、72時間前後はむしろ振戦せん妄が目立つ時期です。依存症は耐性で量が増え、飲み方は単調になる、と覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2飲酒行動の多様性は維持される。:依存が進むと、いつでもどこでも同じように飲むといった単調な飲み方に固定されていきます。飲酒行動の多様性はむしろ失われます。
- 3振戦せん妄では見当識は保たれる。:振戦せん妄は意識の混濁を伴う後期の離脱症状で、時間や場所が分からなくなり、虫などの幻視が見られることもあります。見当識は保たれません。
- 4病気の進行に伴い、以前より少ない量で酩酊するようになる。:飲酒を続けると耐性ができ、以前と同じ酔いを得るのにより多くの量が必要になります。少ない量で酔うようになるのは典型的な経過ではありません。
- 5離脱の早期症候群は飲酒中止後72時間前後にみられることが多い。:手のふるえや汗、眠れないといった早い時期の離脱症状は、最後の飲酒から数時間ほどで始まることが多いとされます。72時間前後は後期の離脱症状が目立つ時期です。
出典:第61回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問96(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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