第61回 午後 問97
臨床医学
水俣病の原因物質はどれか。
- 1カドミウム
- 2鉛
- 3マンガン
- 4有機水銀
- 5有機リン
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✓ これが正解4有機水銀
解説
水俣病の原因物質は有機水銀(メチル水銀)です。
水俣病は、工場の排水に含まれていたメチル水銀(有機水銀)が魚介類に蓄積し、それを食べた人に起こった中毒性の神経疾患です。熊本県水俣湾周辺で発生し、新潟県の阿賀野川流域でも発生しました。判断の軸は、公害病・中毒とその原因物質の対応です。
有機水銀は脂に溶けやすく、脳などの中枢神経に入り込んで神経細胞を傷めます。その結果、手足の先のしびれなどの感覚障害、運動失調、視野が狭くなる求心性視野狭窄、聴力障害、言葉の障害などが現れます。胎盤を通じて胎児が影響を受けた胎児性水俣病も知られています。よって水俣病の原因物質は有機水銀です。
カドミウムはイタイイタイ病の原因物質で、腎臓の障害と骨軟化症を引き起こしました。鉛中毒では貧血や末梢神経の障害(手首が垂れる下垂手など)が見られます。マンガン中毒ではParkinson症状に似た症状が現れます。有機リンは農薬や神経剤に含まれ、コリンエステラーゼを阻害して縮瞳や流涎などを起こします。水俣病は有機水銀、イタイイタイ病はカドミウム、と公害病の組合せで覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1カドミウム:カドミウムは富山県神通川流域で発生したイタイイタイ病の原因物質で、腎臓の障害と骨がもろくなる骨軟化症を起こしました。水俣病の原因ではありません。
- 2鉛:鉛は中毒になると貧血や腹痛、手首が垂れる末梢神経の障害などを起こします。水俣病の原因となった物質ではありません。
- 3マンガン:マンガンを長く吸い込むと、Parkinson病に似た動作の緩慢さや歩行障害が現れることがあります。水俣病とは原因も症状も異なります。
- 5有機リン:有機リンは農薬などに含まれ、アセチルコリンを分解する酵素を妨げて縮瞳や流涎、筋のけいれんなどを起こします。水俣病の原因物質ではありません。
出典:第61回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問97(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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