第59回 午前 問93
臨床医学
Kussmaul呼吸に関する問題
ケトアシドーシスによってKussmaul呼吸が起こる理由で正しいのはどれか。
- 1O2を取り込むため。
- 2H+が減少したため。
- 3CO2を排出するため。
- 4HCO3-が増加したため。
- 5pHの上昇を基準値に戻すため。
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✓ これが正解3CO2を排出するため。
解説
酸性に傾いた血液を戻すため、深く速い呼吸でCO2を吐き出します。
糖尿病性ケトアシドーシスは、インスリンが極端に足りなくなり、体がブドウ糖の代わりに脂肪を燃やしてエネルギーをつくることで、酸性のケトン体が血液の中に大量にたまる状態です。血液の中の水素イオン(H+)が増え、それを中和する重炭酸イオン(HCO3-)が使われて減るので、pHが下がり、代謝性アシドーシスになります。
体は、この酸性への傾きを呼吸で補おうとします。二酸化炭素(CO2)は血液の中で酸として働くので、呼吸を深く速くしてCO2をたくさん吐き出すと、血液を酸性から中性の方向へ戻すことができます。このときにみられる、深く大きく規則正しい呼吸がKussmaul呼吸です。CO2を排出するためという記述が正しいものです。
ほかの記述は、呼吸の目的、ケトアシドーシスでのH+とHCO3-の増減、pHの動く向きのどれかを取り違えています。覚え方は、代謝性アシドーシスでは酸が増えて重炭酸が減りpHが下がる、それを呼吸でCO2を吐いて補うのがKussmaul呼吸、と原因と代償を順に追うことです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1O2を取り込むため。:ケトアシドーシスで呼吸が深く速くなるのは、酸素を取り込むためではありません。酸性に傾いた血液を戻すために、酸として働く二酸化炭素を吐き出すことが目的です。
- 2H+が減少したため。:ケトアシドーシスでは、酸性のケトン体が増えるため、血液の中の水素イオンは増えています。水素イオンが減ったとする記述は、変化の向きが逆です。
- 4HCO3-が増加したため。:ケトアシドーシスでは、増えた酸を中和するために重炭酸イオンが使われ、その濃度は下がります。重炭酸イオンが増えたとする記述は逆です。
- 5pHの上昇を基準値に戻すため。:ケトアシドーシスでは、酸が増えてpHは低下しています。Kussmaul呼吸は、下がったpHを基準値の方へ戻すための反応で、上がったpHを戻すものではありません。
出典:第59回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問93(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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