第61回 午後 問17
理学療法評価学
GMFCSによるレベル
6歳8か月の女児。痙直型両麻痺。床上の座位は体幹が崩れるため座位保持ができない。立位保持や移乗にはいずれも介助が必要である。屋内は車輪付きの歩行器を使用して介助で10 mほど移動できる。学校や屋外移動は介助者による手動車椅子での移送、または電動車椅子を自立操作している。GMFCSによるレベルはどれか。
- 1レベルⅠ
- 2レベルⅡ
- 3レベルⅢ
- 4レベルⅣ
- 5レベルⅤ
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✓ これが正解4レベルⅣ
解説
介助歩行は短距離で電動車椅子を自立操作するのでレベルⅣです。
GMFCS(粗大運動能力分類システム)は、脳性麻痺児の普段の移動能力を年齢帯ごとにレベルⅠ〜Ⅴの5段階で分ける尺度です。6〜12歳の年齢帯では、どの手段で、どの程度の介助で移動しているかが判定の決め手になります。
この児は床上での座位保持が難しく、立位保持や移乗に介助が必要です。屋内では車輪付きの歩行器を使い、介助されて10 mほど移動できる程度で、学校や屋外では手動車椅子で押してもらうか、電動車椅子を自分で操作しています。ほとんどの場面で身体的な介助か電動の移動手段に頼り、短い距離なら介助歩行ができるという状態は、レベルⅣの特徴に当てはまります。
レベルⅠとⅡは補助具なしで歩けるレベルで、この児とは大きく異なります。レベルⅢは手で持つ歩行補助具を使えば屋内を歩けるレベルで、介助を要するこの児より移動能力が高い段階です。レベルⅤは座位や頭部のコントロールも難しく、どの場面でも手動車椅子で移送されるレベルで、電動車椅子を自立して操作できるこの児よりも重い段階です。補助具で自分で歩ければⅢ、電動車椅子を自分で動かせればⅣ、すべて移送ならⅤ、と区切ると判定しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1レベルⅠ:レベルⅠは補助具なしで屋内外を歩け、走る・跳ぶなども不十分ながら可能な段階です。座位保持にも困難があるこの児の状態とはかけ離れています。
- 2レベルⅡ:レベルⅡは補助具なしで歩けるものの、不整地や長距離、階段に制限がある段階です。歩行器と介助が必要なこの児には当たりません。
- 3レベルⅢ:レベルⅢは手に持つ歩行補助具を使えば屋内を自分で歩ける段階です。この児は歩行器を使っても介助が必要で、10 m程度しか進めません。
- 5レベルⅤ:最も重いⅤ段階は、頭や体幹を自分で保つことも難しく、屋内外とも他者が押す車椅子での移送に限られます。電動の車椅子を自分で動かせる点で、この児はそこまで重くありません。
出典:第61回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問17(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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