第61回 午前 問58
運動学
上前腸骨棘に関する問題
左下肢の運動時の図を示す。左上前腸骨棘のすぐ遠位に筋緊張を触知する筋はどれか。
左下肢の運動の図:
- 端座位で、左股関節を屈曲・外転・外旋し、左膝関節を屈曲して、左足部を右下腿の前に持ち上げている
- 1大腿直筋
- 2薄筋
- 3半腱様筋
- 4半膜様筋
- 5縫工筋
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✓ これが正解5縫工筋
解説
上前腸骨棘に起始する縫工筋が働いています。
図の運動は、座った姿勢で左の股関節を曲げて外に開きながら外へ回し、膝も曲げて、左の足を右の下腿の前に持ち上げる動きです。あぐらをかくときや、足を組むときの動きに近い形です。この問は、この運動で上前腸骨棘のすぐ遠位に筋の緊張を触れる筋を選ぶ問題です。
縫工筋は、上前腸骨棘から始まり、大腿の前面を斜めに横切って脛骨の内側に付く、体の中で最も長い筋です。股関節の屈曲・外転・外旋と、膝関節の屈曲をすべて行うことができ、図の運動はこの働きがそのまま組み合わさった形です。起始が上前腸骨棘なので、そのすぐ遠位で収縮した筋を触れることができます。ほかの肢は、起始の場所や股関節・膝関節への作用が図の運動と合いません。
したがって、答えは縫工筋です。上前腸骨棘から始まり、足を組む動きをつくる筋が縫工筋、と覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1大腿直筋:大腿直筋は下前腸骨棘などから始まり、股関節を曲げますが、膝関節は伸ばす働きをもちます。膝を曲げる図の運動とは作用が合わず、起始も上前腸骨棘ではありません。
- 2薄筋:薄筋は恥骨から始まり、大腿の内側を下って脛骨に付く筋で、股関節を内転させます。外へ開く図の運動とは逆の作用で、起始も上前腸骨棘ではありません。
- 3半腱様筋:半腱様筋は坐骨結節から始まるハムストリングスの一つで、股関節を伸ばし、膝を曲げます。股関節を曲げる図の運動とは合わず、触れる場所も大腿の後面です。
- 4半膜様筋:半膜様筋も坐骨結節から始まるハムストリングスの一つで、股関節の伸展と膝の屈曲を行います。上前腸骨棘とは離れた場所に起始し、図の運動にも合いません。
出典:第61回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問58(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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