第60回 午後 問86
臨床医学
多発性硬化症で正しいの
多発性硬化症で正しいのはどれか。
- 1男性に多い。
- 2遺伝性の疾患である。
- 3温熱療法が効果的である。
- 4末梢神経の脱髄疾患である。
- 5MRI検査が診断に有用である。
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✓ これが正解5MRI検査が診断に有用である。
解説
多発性硬化症の診断には、MRI検査が有用です。
多発性硬化症は、免疫の異常によって脳や脊髄、視神経などの中枢神経の髄鞘が壊れる(脱髄)病気です。脱髄が体のあちこち(空間的な多発)に、時期を変えて繰り返し(時間的な多発)起こるのが特徴で、視力の低下、手足のしびれや麻痺、ふらつきなどが現れたり治まったりします。
診断では、MRI検査で脳や脊髄の白質に脱髄による病変(脱髄巣)が複数あるか、新しい病変と古い病変が混ざっているかを確かめます。症状がまだ出ていない病変も見つけられるため、空間的・時間的な多発を示すのにMRI検査がとても役立ちます。したがって、MRI検査が診断に有用であるという記述が正しいものです。
残りの記述は病気の特徴と合いません。多発性硬化症は若い女性に多く、遺伝病ではなく、体温が上がると症状が一時的に悪くなるため温熱療法には注意が必要です。また、脱髄が起こるのは末梢神経ではなく中枢神経です。
中枢の脱髄・時間と空間の多発・若い女性・MRIで診断・温めると悪化、の5つの特徴を組で覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1男性に多い。:多発性硬化症は女性に多い病気で、20〜40歳代の若い成人に発症することが多いとされます。男性に多いという記述は、病気の特徴と逆になっています。
- 2遺伝性の疾患である。:多発性硬化症は、なりやすさに体質が関わるとされますが、親から子へ決まった形で受け継がれる遺伝性の疾患ではありません。免疫の異常による自己免疫性の病気と考えられています。
- 3温熱療法が効果的である。:多発性硬化症では、体温が上がると神経の伝わり方が悪くなり、症状が一時的に悪化する現象(Uhthoff現象)が知られています。温熱療法は症状を悪くするおそれがあり、注意が必要です。
- 4末梢神経の脱髄疾患である。:多発性硬化症で脱髄が起こるのは、脳や脊髄、視神経といった中枢神経です。末梢神経の脱髄が起こる病気には、Guillain-Barre症候群などがあります。
出典:第60回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問86(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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