第60回 午後 問77
臨床医学
リンパ浮腫への対応で正しいの
リンパ浮腫への対応で正しいのはどれか。
- 1利尿薬で治療する。
- 2水分摂取を制限する。
- 3患肢の体毛を剃毛する。
- 4患肢の皮膚を保湿する。
- 5患肢を低い位置に保つ。
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✓ これが正解4患肢の皮膚を保湿する。
解説
リンパ浮腫では、患肢の皮膚を保湿して蜂窩織炎を防ぎます。
リンパ浮腫は、がんの手術でのリンパ節の切除や放射線治療などでリンパの流れが滞り、たんぱく質を多く含む組織液が腕や脚にたまってむくむ状態です。治療の柱は、スキンケア、圧迫(弾性着衣や包帯)、圧迫したうえでの運動、用手的リンパドレナージを組み合わせる複合的治療です。
リンパ浮腫の皮膚は乾燥しやすく、小さな傷から細菌が入ると蜂窩織炎(皮膚と皮下の感染症)を起こしやすくなります。蜂窩織炎は浮腫をさらに悪くするため、保湿剤で皮膚を潤し、傷を作らないよう気をつけるスキンケアが大切です。したがって、患肢の皮膚を保湿するという記述が正しいものです。
残りの対応は効果がないか、悪化させます。利尿薬は効かず、水分制限は必要なく、剃毛は傷の原因になり、患肢は低くせず高めに保ちます。
リンパ浮腫は、スキンケア・圧迫・運動・ドレナージの4本柱で考え、皮膚を守って感染を防ぐ、と覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1利尿薬で治療する。:利尿薬は血管の中の水分を尿として出させる薬で、心不全などによる浮腫には使われます。リンパ浮腫はたんぱく質を多く含む液が組織にたまるもので、利尿薬では改善しません。
- 2水分摂取を制限する。:リンパ浮腫は、飲む水の量が多いために起こるむくみではありません。水分を控えても組織にたまった液は減らず、脱水の心配が出てくるため、水分制限は勧められません。
- 3患肢の体毛を剃毛する。:剃刀で毛を剃ると、目に見えない小さな傷が皮膚にでき、そこから細菌が入って蜂窩織炎を起こすおそれがあります。患肢の皮膚はできるだけ傷つけないように扱います。
- 5患肢を低い位置に保つ。:患肢を低い位置に保つと、重力で液がさらに下へたまり、むくみが悪くなります。休むときは心臓より少し高い位置に挙げて、液が戻りやすいようにします。
出典:第60回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問77(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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