第60回 午後 問78
臨床医学
アポトーシスで正しいの
アポトーシスで正しいのはどれか。
- 1核が融解する。
- 2細胞の大きさは膨化する。
- 3細胞死は散在性に認められる。
- 4受動的に生じる細胞死である。
- 5細胞内容物は細胞外へ放出される。
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✓ これが正解3細胞死は散在性に認められる。
解説
アポトーシスは、細胞死が散在性に起こるのが特徴です。
細胞の死に方には、アポトーシスとネクローシス(壊死)の2つがあります。アポトーシスは、遺伝子にプログラムされた手順で細胞が自ら進んで死ぬ能動的な細胞死です。ネクローシスは、虚血や毒素などの強い障害で細胞が壊されて死ぬ受動的な細胞死です。両者を比べるのが判断の軸です。
アポトーシスは、不要になった細胞や傷ついた細胞を、一つずつ選んで取り除く仕組みです。そのため、組織の中で細胞死がぽつりぽつりと散らばって(散在性に)みられます。ネクローシスが組織の広い範囲でまとまって起こるのとは対照的です。したがって、細胞死が散在性に認められるという記述が正しいものです。
残りの記述はネクローシスの側の特徴です。核の融解、細胞の膨化、受動的な細胞死、細胞内容物の流出と炎症は、いずれもネクローシスでみられます。アポトーシスでは細胞は縮み、核は濃縮・断片化し、内容物は小体に包まれて処理されます。
アポトーシスは自ら・縮む・散在性・炎症なし、ネクローシスは受動的・膨らむ・広範囲・炎症あり、と対にして覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1核が融解する。:アポトーシスでは、核の染色質が凝縮して濃く小さくなり(核濃縮)、さらに細かく断片化します。核が溶けて消えていく核融解は、ネクローシスでみられる変化です。
- 2細胞の大きさは膨化する。:アポトーシスでは、細胞は水分を失って縮み、小さくなります。細胞が水を取り込んで膨らみ、やがて破れるのはネクローシスの特徴です。
- 4受動的に生じる細胞死である。:この細胞死は、カスパーゼという酵素の連鎖を細胞が自分で動かして進めるもので、エネルギーを使う過程です。虚血や毒で外から一方的に壊される死に方とは区別されます。
- 5細胞内容物は細胞外へ放出される。:アポトーシスでは、細胞の中身は膜に包まれた小さな塊(アポトーシス小体)となり、マクロファージなどに取り込まれて処理されます。中身が外にあふれて炎症を起こすのはネクローシスです。
出典:第60回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問78(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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