第58回 午前 問73
運動学
遠心性収縮をする筋
鉄棒に肩関節屈曲90°、肘関節屈曲90°の肢位で懸垂している状態からゆっくりと体を下降させているとき、遠心性収縮をする筋はどれか。
- 1棘上筋
- 2広背筋
- 3烏口腕筋
- 4三角筋前部
- 5大胸筋鎖骨部
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✓ これが正解2広背筋
解説
体を下ろすとき、肩の伸展筋の広背筋が伸ばされながら働きます。
遠心性収縮は、筋が力を出しながら引き伸ばされていく収縮です。重さに逆らってゆっくり下ろす動作でよくみられます。どの筋が遠心性収縮をするかは、その動作で関節がどちらへ動き、どの筋が引き伸ばされるかを考えると分かります。
鉄棒にぶら下がって肩関節屈曲90°、肘関節屈曲90°の状態から体をゆっくり下ろすと、体に対して腕はより頭上の方へ上がっていきます。つまり、肩関節はさらに屈曲していき、肘関節は伸びていきます。このとき、体が急に落ちないようにブレーキをかけるのは、肩関節を伸展させる筋と肘関節を屈曲させる筋で、それらは伸ばされながら力を出します。広背筋は肩関節を伸展・内転させる筋なので、遠心性収縮をします。したがって、広背筋が正解です。
棘上筋は外転、烏口腕筋・三角筋前部・大胸筋鎖骨部は屈曲に働く筋で、肩が屈曲していくこの場面では縮む側にあり、引き伸ばされません。下ろす動作では、持ち上げるときに使った筋が伸ばされながら働く、と覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1棘上筋:棘上筋は肩関節の外転に働く筋です。体を下ろしていく場面で肩関節は屈曲の方向へ進むので、棘上筋は体重を受け止めながら引き伸ばされる立場にはありません。
- 3烏口腕筋:烏口腕筋は肩関節を屈曲・内転させる筋です。体を下ろすと肩関節はさらに屈曲していくため、この筋は短くなる側にあり、遠心性収縮にはなりません。
- 4三角筋前部:三角筋前部は肩関節を屈曲させる筋です。体を下ろす間、肩関節は屈曲の方向へ動くので、三角筋前部は伸ばされず、遠心性収縮でブレーキをかける筋ではありません。
- 5大胸筋鎖骨部:大胸筋鎖骨部は肩関節の屈曲や水平内転に働く筋です。肩関節がさらに屈曲していくこの場面では伸ばされる側ではなく、体の下降を制御する遠心性収縮は行いません。
出典:第58回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問73(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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