第60回 午前 問71
運動学
運動学に関する問題
頭頸部の屈曲と伸展の両方に作用する筋はどれか。
- 1前斜角筋
- 2前頭直筋
- 3頭板状筋
- 4胸鎖乳突筋
- 5脊柱起立筋
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✓ これが正解4胸鎖乳突筋
解説
胸鎖乳突筋は、頭頸部の屈曲と伸展の両方に作用します。
頭頸部の筋の作用は、筋が関節の運動軸の前を通るか後ろを通るかで決まります。胸鎖乳突筋は、胸骨と鎖骨から起こり、耳の後ろの乳様突起に付く筋です。両側が同時に働くと、下位の頸椎は前へ曲がり(屈曲)、乳様突起が上位頸椎の運動軸よりやや後方にあるため、頭部は後ろへ反らす(伸展)方向に作用します。片側だけが働くと、頭を同じ側へ傾け、顔を反対側へ向けます。このように、屈曲と伸展の両方に作用する点が特徴です。
残りの筋は、頸の前を通って屈曲に働くか、頸や背中の後ろを通って伸展に働くかのどちらか一方で、両方の向きに作用する筋ではありません。
したがって、屈曲と伸展の両方に作用するのは胸鎖乳突筋です。胸鎖乳突筋は下の頸では前へ、頭では後ろへ、と付着部の位置から理由を説明できるようにしておくと記憶に残ります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1前斜角筋:前斜角筋は頸椎の横突起の前結節から第1肋骨へ付く筋で、頸部の屈曲や側屈、呼吸時の肋骨の挙上に働きます。伸展には作用しません。
- 2前頭直筋:前頭直筋は後頭骨の底面と環椎の外側部を結ぶ深層の短い筋で、頭部を前へうなずかせる屈曲に働きます。伸展には作用しません。
- 3頭板状筋:頭板状筋は頸の後ろで棘突起から乳様突起や後頭骨へ付く筋で、頭頸部の伸展や回旋に働きます。屈曲には作用しません。
- 5脊柱起立筋:脊柱起立筋は背骨の後ろに沿って縦に走る筋群で、脊柱や頭頸部を反らす伸展に働きます。前へ曲げる屈曲には作用しません。
出典:第60回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問71(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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