第60回 午前 問40
理学療法治療学
理学療法治療学に関する問題
筋力増強運動で正しいのはどれか。
- 1高齢者では高負荷低頻度で実施するのがよい。
- 2運動の効果には対象者の運動経験は影響しない。
- 3等張性収縮には求心性収縮と遠心性収縮がある。
- 4筋力維持には最大筋力の40~50%以上の負荷が必要である。
- 5等速性収縮の角速度高速域での運動は筋出力効果が増大する。
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✓ これが正解3等張性収縮には求心性収縮と遠心性収縮がある。
解説
等張性収縮には、求心性収縮と遠心性収縮の2種類があります。
筋の収縮は、筋の長さと張力の変化によって分類されます。等尺性収縮は筋の長さを変えずに力を出す収縮、等張性収縮は一定の負荷に対して筋の長さを変えながら力を出す収縮です。等張性収縮には、筋が短くなりながら力を出す求心性収縮と、筋が引き伸ばされながら力を出す遠心性収縮の2つがあります。たとえば、重りを持ち上げるときの上腕二頭筋は求心性収縮、ゆっくり下ろすときは遠心性収縮をしています。
ほかの記述は、筋力増強運動の原則と合いません。高齢者への負荷の設定、運動経験と効果の関係、維持に必要な負荷の大きさ、速い角速度での筋出力は、いずれも記述とは逆の方向が一般的な理解です。
したがって、正しいのは等張性収縮には求心性収縮と遠心性収縮があるという記述です。長さが変わらない等尺性、長さが変わる等張性、そのうち短くなる求心性と伸ばされる遠心性、と枝分かれの図で覚えると整理しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1高齢者では高負荷低頻度で実施するのがよい。:高齢者の筋力増強運動は、関節や心臓への負担を避けるため、軽い~中等度の負荷から始めて回数を重ねる方法がとられます。高負荷低頻度がよいとはいえません。
- 2運動の効果には対象者の運動経験は影響しない。:運動経験が少ない人は、始めた初期に神経の働きの改善などで筋力が伸びやすく、経験のある人とは効果の現れ方が違います。運動経験は効果に影響します。
- 4筋力維持には最大筋力の40~50%以上の負荷が必要である。:筋力を維持するだけであれば、筋力を増強するときより軽い負荷で足りるとされています。最大筋力の40~50%以上の負荷が必要という記述は、維持には高すぎる設定です。
- 5等速性収縮の角速度高速域での運動は筋出力効果が増大する。:等速性収縮では、角速度が速くなるほど筋が発揮できる張力は小さくなります。高速域で筋出力が増大することはなく、むしろ低下するという関係です。
出典:第60回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問40(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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