第58回 午前 問28
理学療法評価学
移動軸の組合せで正しいの
関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で測定する運動方向と移動軸の組合せで正しいのはどれか。
- 1股屈曲・伸展 大腿骨
- 2股外転・内転 下腿中央線
- 3膝屈曲・伸展 脛骨
- 4足背屈・底屈 第1中足骨
- 5足部外転・内転 第2・3中足骨の間の中央線
答えと解説を見る
✓ これが正解1股屈曲・伸展 大腿骨
解説
股関節の屈曲・伸展は、大腿骨を移動軸として測定します。
関節可動域測定法では、運動方向ごとに、角度計を当てる基本軸と移動軸が決められています。移動軸は、運動に伴って動く側の体節に当てる線です。股関節の屈曲・伸展では、体幹と平行な線を基本軸とし、移動軸は大腿骨(大転子と大腿骨外顆の中心を結ぶ線)です。したがって、股屈曲・伸展と大腿骨の組合せが正しいものです。
ほかの組合せをみると、股関節の外転・内転の移動軸は大腿中央線、膝関節の屈曲・伸展の移動軸は腓骨(腓骨頭と外果を結ぶ線)で、設問の組合せとは違います。足の背屈・底屈で第1中足骨を当てることはなく、足部の外転・内転では第2中足骨長軸を用います。
移動軸は動く側の骨の名で覚え、膝の屈曲で脛骨ではなく腓骨を当てる点や、股の外転・内転で大腿中央線を使う点など、取り違えやすい組を意識すると確実になります。なお、第58回(2023年2月実施)の時点ですでに施行されていた2022年4月改訂の版では、足関節・足部の背屈・底屈の移動軸は足底面とされています。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2股外転・内転 下腿中央線:下腿中央線(膝蓋骨中心と足関節内外果中央を結ぶ線)は、股関節の外旋・内旋で移動軸に用いる線です。股関節の外転・内転では、上前腸骨棘と膝蓋骨中心を結ぶ大腿中央線を移動軸にします。
- 3膝屈曲・伸展 脛骨:膝関節の屈曲・伸展で移動軸に用いるのは腓骨で、腓骨頭と外果を結ぶ線に角度計を当てます。膝の屈曲・伸展の移動軸として脛骨は定められていません。
- 4足背屈・底屈 第1中足骨:足の背屈・底屈で第1中足骨を移動軸にすることはありません。改訂後の版では足底面を移動軸とし、矢状面における腓骨長軸への垂直線を基本軸にしています。
- 5足部外転・内転 第2・3中足骨の間の中央線:足部の外転・内転では、第2中足骨長軸を軸として測定します。第2中足骨と第3中足骨の間の中央線という軸は定められていません。
出典:第58回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問28(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)