第58回 午前 問29
臨床医学
錐体路徴候に関する問題
錐体路徴候はどれか。
- 1膝蓋腱反射低下
- 2深部感覚鈍麻
- 3腹壁反射消失
- 4筋緊張低下
- 5ジストニア
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✓ これが正解3腹壁反射消失
解説
錐体路障害では腹壁反射などの表在反射が消失します。
錐体路は、大脳皮質の運動野から脊髄へ随意運動の指令を伝える経路です。ここが障害されると、上位運動ニューロンの障害として特徴的な徴候が出ます。代表的なのは、深部腱反射の亢進、病的反射(Babinski反射など)の出現、筋緊張の亢進(痙縮)、そして腹壁反射などの表在反射の低下や消失です。
腹壁反射は、腹部の皮膚をこすると腹筋が収縮する表在反射で、反射の経路に錐体路が関わるため、錐体路が障害されると弱くなったり消えたりします。したがって、腹壁反射消失が錐体路徴候です。
膝蓋腱反射の低下や筋緊張の低下は、末梢神経や小脳などの障害でみられる所見で、錐体路障害では逆に亢進します。深部感覚の鈍麻は後索など感覚の経路の障害、ジストニアは錐体外路系の障害の症状です。深部反射は亢進、表在反射は消失、と向きが逆になる点を対で覚えると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1膝蓋腱反射低下:錐体路が障害されると、脊髄の反射を抑える働きが弱まり、膝蓋腱反射などの深部腱反射は亢進します。低下するのは末梢神経障害などの場合で、向きが逆です。
- 2深部感覚鈍麻:深部感覚は、関節の位置や振動を感じる感覚で、脊髄の後索などの感覚の経路を通ります。運動の指令を伝える錐体路の障害で生じる徴候ではありません。
- 4筋緊張低下:錐体路障害では、筋緊張は痙縮として高まるのが典型です。筋緊張が低下するのは、小脳の障害や末梢神経障害、脊髄ショックの時期などでみられる所見です。
- 5ジストニア:ジストニアは、筋が意図せず持続的に収縮して、ねじれた姿勢や異常な動きが出る症状です。大脳基底核などの錐体外路系の障害で生じ、錐体路徴候ではありません。
出典:第58回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問29(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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