令和7年度 秋期 午前Ⅱ 問7
プロジェクトの時間
ファストトラッキングに関する問題
図1に示すプロジェクト活動は,作業Cの終了がこの計画から2日遅れたので,このままでは当初に計画した総所要日数で終了できなくなった。
作業を見直したところ,作業Iは作業Gの全てが完了していなくても開始できることが分かったので,ファストトラッキングを適用して,図2に示すように計画を変更した。計画変更後の総所要日数は当初計画と比べてどのように変化するか。
図1 プロジェクト活動(当初計画):
① ─A 4→ ② ② ─B 5→ ③ ② ─C 10→ ④ ③ ─D 4→ ④ ③ ─E 2→ ⑤ ④ ─F 4→ ⑤ ④ ─G 7→ ⑥ ⑤ ─H 6→ ⑦ ⑥ ─I 4→ ⑦ ⑦ ─J 8→ ⑧
凡例: ○─作業名/所要日数→○
図2 プロジェクト活動(変更後計画):
① ─A 4→ ② ② ─B 5→ ③ ② ─C 12→ ④ ③ ─D 4→ ④ ③ ─E 2→ ⑤ ④ ─F 4→ ⑤ ④ ─G1 2→ ⑥ ⑥ ─G2 5→ ⑨ ⑨ ‥ダミー作業‥→ ⑦ ⑤ ─H 6→ ⑦ ⑥ ─I 4→ ⑦ ⑦ ─J 8→ ⑧
凡例: ○─作業名/所要日数→○,‥‥→:ダミー作業(原典は破線矢印)
- ア4日減少する
- イ2日減少する
- ウ1日増加する
- エ2日増加する
答えと解説を見る
✓ これが正解ウ1日増加する
解説
変更後の最長経路は34日となり、当初計画の33日より1日増えます。
結合点ごとの最早日で最長経路を求めます。当初計画は②4、③9、④14(Cの4+10とDの9+4の大きい方)、⑤18、⑥21、⑦25(Hの18+6とIの21+4)、⑧33で、総所要日数は33日です。変更後はCが12日なので、④16、⑤20(Fの16+4)、⑥18(G1の16+2)、⑨23(G2の18+5)です。⑦にはHの20+6=26、Iの18+4=22、ダミー作業の23が入るので26、⑧は26+8=34日です。34-33=1で、1日増加します。ファストトラッキングでG・Iの経路は縮みましたが、A→C→F→H→Jの経路がCの遅れ2日をそのまま受けて最長になりました。並行化の効果は、ほかの経路が新たなクリティカルパスにならないかまで確かめて判断します。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア4日減少する:Hを通る経路を見落とし、⑦をIとダミー作業の経路だけで求めると⑦は23、全体は31日です。これをCの遅れだけを入れた変更前の35日と比べると4日減少になりますが、実際はHの経路が26日で⑦に入ります。
- イ2日減少する:Hを通る経路を見落とすと全体は31日となり、当初の33日と比べて2日減少に見えます。実際にはA→C→F→H→Jの経路が34日あって最長になるので、総所要日数は減りません。
- エ2日増加する:作業Cの2日の遅れだけを当初計画に入れると、A→C→G→I→Jが35日となり、2日増加します。これは計画を変えない場合の値で、ファストトラッキングでG・Iの経路を縮めた効果を反映していません。
この問題の用語
- クリティカルパス全体の日数を決めている、余裕のない作業のつながりのことです。ここが遅れると全体が遅れるので、重点的に管理します。
- ダミー作業アローダイアグラムで、所要日数0の点線として描く見かけの作業です。実際の仕事ではなく、作業どうしの順序の制約だけを表します。
- プロジェクトある目的のために期間を決めて行う、一回限りの活動。決算処理のように同じ手順を繰り返す定常業務とは区別されます。
出典:令和7年度 秋期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問7
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前Ⅱ 問8:クラッシングに関する問題(クリティカルパス)
- 令和6年度 秋期 午前Ⅱ 問5:アローダイアグラムに関する問題(ダミー作業)
- 令和5年度 秋期 午前Ⅱ 問8:クリティカルチェーン法の問題(クリティカルパス)
- 令和4年度 秋期 午前Ⅱ 問9:アローダイアグラムに関する問題(ダミー作業)
- 平成30年度 春期 午前Ⅱ 問6:ファストトラッキングに関する問題(ダミー作業)
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)