平成30年度 春期 午前Ⅱ 問6
プロジェクトの時間
ファストトラッキングに関する問題
図1に示すプロジェクト活動について,作業Cの終了がこの計画から2日遅れたので,このままでは当初に計画した総所要日数で終了できなくなった。
図1 プロジェクト活動(当初の計画)(原典はアローダイアグラム。凡例は「○─作業名/所要日数→○」。結合点に①~⑧の番号を付けて矢線を書き写した):
① ─A 4→ ② ② ─B 5→ ③ ② ─C 10→ ④ ③ ─D 4→ ④ ③ ─E 2→ ⑤ ④ ─F 4→ ⑤ ④ ─G 7→ ⑥ ⑤ ─H 6→ ⑦ ⑥ ─I 4→ ⑦ ⑦ ─J 8→ ⑧
作業を見直したところ,作業Iは作業Gの全てが完了していなくても開始できることが分かったので,ファストトラッキングを適用して,図2に示すように計画を変更した。
図2 プロジェクト活動(変更後の計画)(原典はアローダイアグラム。凡例は「○─作業名/所要日数→○」と「- - -→:ダミー作業」。結合点に番号を付けて矢線を書き写した):
① ─A 4→ ② ② ─B 5→ ③ ② ─C 12→ ④ ③ ─D 4→ ④ ③ ─E 2→ ⑤ ④ ─F 4→ ⑤ ④ ─G1 2→ ⑥ ⑥ ─G2 5→ ⑨ ⑥ ─I 4→ ⑦ ⑨ - - ダミー作業 - -→ ⑦ ⑤ ─H 6→ ⑦ ⑦ ─J 8→ ⑧
この計画変更によって,変更後の総所要日数はどのように変化するか。
- ア当初計画から4日減少する。
- イ当初計画から2日減少する。
- ウ当初計画から1日増加する。
- エ当初計画から2日増加する。
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✓ これが正解ウ当初計画から1日増加する。
解説
当初33日、変更後は34日となり、1日増加します。
アローダイアグラムでは各結合点の最早結合点時刻を順に求め、最後の値が総所要日数になります。当初は、②が4日、③が9日、④がCを通る4+10=14日、⑤がFを通る18日、⑥が14+7=21日、⑦がIを通る21+4=25日、⑧が33日です。変更後はCが12日になるので、④が16日、⑤が16+4=20日、⑥がG1を通る18日、⑨がG2を通る23日です。⑦は、Hを通る20+6=26日、Iを通る18+4=22日、ダミー作業を通る23日のうち最大の26日で、⑧は26+8=34日です。33日から34日へ、1日増加します。ファストトラッキングでGとIの経路は短くなりましたが、Cの遅れでFとHを通る経路が最長に変わったためです。計画を変えたら最長の経路を必ず求め直す、という点がこの種の計算の要点です。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア当初計画から4日減少する。:4日減少するには総所要日数が29日になる必要があります。変更後の計画にはA、C、F、H、Jを通る4+12+4+6+8=34日の経路が残るので、どう組み替えても33日を下回ることはありません。
- イ当初計画から2日減少する。:2日減少して31日になることもありません。A、C、F、H、Jの経路が34日あり、ファストトラッキングはGとIの経路を短くするだけで、この経路の長さは変わらないからです。
- エ当初計画から2日増加する。:2日増加の35日は、ファストトラッキングを適用せず、Cが12日に延びただけの当初の図で計算した値です。⑥が23日、⑦がIを通って27日、⑧が35日となります。変更後はIがG1の後に始められるので、ここから1日短くなります。
この問題の用語
- ダミー作業アローダイアグラムで、所要日数0の点線として描く見かけの作業です。実際の仕事ではなく、作業どうしの順序の制約だけを表します。
- アローダイアグラム作業の順序と所要日数を矢印でつなぎ、全体の日数を求める図です。順序関係や余裕日数が分かり、縮めるべき作業を見つけられます。
- プロジェクトある目的のために期間を決めて行う、一回限りの活動。決算処理のように同じ手順を繰り返す定常業務とは区別されます。
出典:平成30年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問6
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前Ⅱ 問7:ファストトラッキングに関する問題(ダミー作業)
- 令和6年度 秋期 午前Ⅱ 問5:アローダイアグラムに関する問題(アローダイアグラム)
- 令和4年度 秋期 午前Ⅱ 問9:アローダイアグラムに関する問題(ダミー作業)
- 令和3年度 秋期 午前Ⅱ 問5:ガントチャートに関する問題(アローダイアグラム)
- 平成25年度 春期 午前Ⅱ 問8:アローダイアグラムに関する問題(ダミー作業)
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