第111回 午前 問49
公衆衛生看護管理論
健康管理に関する問題
次の文を読み47~49の問いに答えよ。
金曜日の早朝、A県で最大震度7の地震が発生し、その後も余震が続いている。A県海岸沿いのB市では、ライフラインが途絶し、自宅建物が倒壊した住民が多数発生している。B市の統括保健師が保健センターに到着したとき、職員の3割程度が出勤して情報収集を進めていた。
発災後4日、B市は1次避難所を10か所開設し、避難用物資は行き届いている。各避難所の避難者には、授乳期の母子や後期高齢者、精神障害者も含まれている。C保健師が担当の避難所は中学校の体育館で、夜間の外気温は氷点下になるため昼夜を問わず閉めきり、一部の避難者は毛布をかぶり、館内で土足の靴を履いたまま過ごしていた。
B市の職員は発災から2週間以上休みなく災害対応に携わっているが、次週には出勤できる職員が増えることから、交代で休日をとれる見込みである。住民からは市の対応に関する感情的な苦情が多く寄せられており、直接対応した職員は陰で泣いていることもあった。それでも職員たちは緊急対応として耐え使命感をもって取り組んでいた。この時期に各部署のリーダーが行う職員の健康管理として適切なのはどれか。
- 1気持ちを表出する機会をつくる。
- 2健康状態の自己管理体制をとる。
- 3メンタルヘルス講演会を開催する。
- 4引き続き使命感をもって対応するよう励ます。
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✓ これが正解1気持ちを表出する機会をつくる。
解説
職員が気持ちを表出できる機会をつくることが適切です。
B市の職員は、2週間以上休みなく災害対応を続け、住民からの感情的な苦情に直接対応して、陰で泣いていることもあります。それでも使命感で耐えて働いており、支援者自身が強いストレスを抱え込み、燃え尽きや心身の不調に陥る危険が高い状態です。
支援者のストレスには、使命感が強い人ほど自分の疲れやつらさを口に出しにくく、周りも気づきにくいという特徴があります。リーダーが、ミーティングなどの場で、つらかった体験や今の気持ちを安心して話せる機会をつくることは、ストレスをため込ませず、互いに支え合う雰囲気をつくることにつながります。不調のある職員に早く気づくきっかけにもなります。したがって、気持ちを表出する機会をつくることが適切な健康管理です。
支援者支援では、休息の確保と、気持ちを言葉にできる場をつくることが基本です。本人任せや励ましだけでは、限界まで頑張ってしまう職員を守れないと覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2健康状態の自己管理体制をとる。:健康状態の自己管理体制は、職員一人一人に自分の健康を任せる方法です。使命感の強い職員は不調を自覚していても無理を続けやすく、リーダーとして組織的に関わる健康管理としては不十分です。
- 3メンタルヘルス講演会を開催する。:メンタルヘルスの講演会は、知識を得る機会にはなりますが、一方的な情報提供にとどまります。休みなく働く職員にとっては負担にもなりえ、今のつらい気持ちを表に出せる場にはなりません。
- 4引き続き使命感をもって対応するよう励ます。:使命感をもつよう励まし続けると、職員はつらさを表に出せなくなり、さらに無理を重ねて燃え尽きにつながるおそれがあります。この状況では、使命感をあおるより負担を軽くする関わりが必要です。
出典:第111回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問49(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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